梵鐘のような響きではなくて、ベネチアン・グラスの音色を楽しむようなところがあるのがボールトが演奏したワグナーの音楽。繊細な演奏と言うことではなくて、自分の存在を主張して注目させる音楽とは違うと言うことです。ワグナーの管弦楽曲集は、歌劇の内容と切り離すことは難しいのですけど、ボールトはそれを成功させている指揮者の一人ではないかしら。 
ワグナー:管弦楽曲集の第4集ともなると、見過ごしてしまっている音楽愛好家も少なくなさそう。かくゆうわたしも見のがしていました。 
純音楽的というか古典的というのか、重厚感というものはないのですがスケールが大きくて音が前面に出る時にはブンと呻るように聞こえます。バイロイト音楽祭の響きに慣れた耳に新鮮に響くのは、両側にヴァイオリンを配置して、後方にコントラバスという古典配置だからかもしれません。何より、名盤中の名盤であるブラームスの交響曲全集と同時進行で録音されていたことには音を聴いている限りでは、80歳代の指揮者の演奏だとは想像できません。 
ちなみに、各集は次の通り。 
◎1971 12/22,23 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 
「タンホイザー」序曲 
「トリスタンとイゾルデ」第一幕への前奏曲 
「マイスタージンガー」第一幕への前奏曲 
「マイスタージンガー」第三幕への前奏曲 
「ローエングリン」第一幕への前奏曲 
「ローエングリン」第三幕への前奏曲 
◎1972 12/13,14 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 
「神々の黄昏」夜明けとジークフリートのラインの旅 
「神々の黄昏」ジークフリートの葬送行進曲 
「タンホイザー」第三幕への前奏曲 
「トリスタンとイゾルデ」第三幕への前奏曲 
「ジークフリート」森のささやき 
「ワルキューレ」ワルキューレの騎行 
◎1973 1/23,29,30 ロンドン交響楽団 
ジークフリート牧歌 
「パルシファル」第一幕への前奏曲 
「バルシファル」第一幕の場面転換の音楽 
「パルシファル」三幕への前奏曲 
「パルシファル」聖金曜日の音楽 
「バルシファル」第三幕の場面転換の音楽 
◎1974 1/14,15,29 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 
「タンホイザー」大行進曲 
「さまよえるオランダ人」序曲 
序曲「ファウスト」 
「ラインの黄金」ワルハラ城への神々の入場 
「リエンツィ」序曲
 
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【管弦楽曲】 
レーベル:英 EMI 
レコード番号:ASD 3071 
オリジナリティ:モノクロ切手ラベル、オリジナル 
曲目: ワーグナー:さまよえるオランダ人序曲、神々のワルハラへの入場、タンホイザーの大行進曲、ファウスト序曲、リエンツィ序曲 
指揮: サー・エードリアン・ボールト 
管弦楽: ロンドン・フィル 
試聴感とレコード盤、ジャケットのコンディション: 
1975年、ボールト85歳の時の録音とは思えぬ鮮烈な演奏。純音楽的で、ロマン主義のどろどろとしたものを洗い落とした新鮮さを持っています。謂わば俺が、俺がの無いワーグナー。しかしその音楽は年輪を経てなんとも言えない渋みに溢れたものになっています。 
録音はオフ・マイクと言うほどではありませんが、少し客席の後ろで聞く感じの音で全体が程良くブレンドされた感じ、歪み感は全くなく、低域の量感もあります。 
盤は問題無く大変良い状態で鑑賞できます。 
ジャケットも正面大変綺麗な状態です。 
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