2013-07-11

かつて“変身”したかった・・・男の子も女の子も - 7月10日、ウルトラマンの日

2013-07-11 0

まず「出来(でき)る』って言う。方法はそれから


子供が喜ぶんだ。- 円谷英二監督は、常にそう言って夢や創意工夫を失わなかった。費用はかかったけど、それでも手を抜かなかった。ウルトラマンの襟巻(えりま)き怪獣ジラースは、東宝映画で使った大怪獣ゴジラに半魚人怪獣ラゴンの首周りの飾りを使って仕立てた感じだ。でも、そう種明かしされてもDVD出「ウルトラマン』のジラースの登場にゴジラの印象は感じさせない。


ウルトラマンが会話をしたのはいつなんだろう。


ウルトラマンが怪獣をやっつけて光の国へ帰っていく。両腕を腰にくの字に構えて視線をカメラに向ける。

この後、両手を伸ばして飛び立つわけですが、スペシャル番組で取り組みの様子と監督の考えを知った。


仮面ライダーなどのジャンプにはトランポリンが使われたようだけど、奈落から舞台に押し上げるようにウルトラマンが立った台を周りでスタッフが揃って上に持ち上げて空に飛び立つように撮っていた。これは毎回新たに撮影されていたという。そこに、怪獣をやっつけるパターンは毎回違うし、ウルトラマンの感慨を伝えたかったから違う表情にしたかったという監督の思いがあった。そこに『子供は喜ぶんだ』。

テレビから向けられるウルトラマンの表情には、活躍を声援した子どもたちに「闘いを見守ってくれてありがとう」と、挨拶しているようだった。そこに子供は、嬉しくて虜になった。

さてウルトラマンの最終回で、ゾフィーとウルトラマンが対話するけどウルトラマンが直接大衆に向けて発言をしたのはいつなんだろう。それはより、近しさを感じさせることになったのか。


ウルトラマンランド


「ウルトラマン」がテレビに初登場したのは昭和41(1966)年の7月10日だ。番組宣伝ための前夜祭が録画放送された。シリーズ全39話は最高視聴率42%を記録するなど、国民的ヒーローとなる。なんでも、前番組が予定より早く打ち切りになって大切な第一話は製作中。第二話あたりは完成していたらしいけど、さすがに第一話は重要だったのでしょう。第ゼロ話といわれるそれは、出演者も進行役の監督さえ良く理解できていなかったのがわかる。

子どもたちが喜ぶ番組を、まずは作ろう。ウルトラマンが何なのかは、子どもたちが作り上げてきたんだね。


CGがなかった時代に水槽の中に墨汁を流しこんで、天地逆にセットしたカメラで撮影、フィルムを逆回転で再生して投影したものをバックに別のカメラで演技を撮影していく。

模型の飛行機は釣り糸が映るからと、それも飛行機を逆さまにして天地を反転させて編集。日本の特撮映画のミニチュアはとてもリアルでフィギュアやジオラマは日本特有の個性が強いものだと言います。戦争中に作られた映画で、米軍と日本軍の空中戦があまりにもリアルなので実写ではないかとアメリカから疑いがかかったほど、その工夫を絶やさない姿勢は子供の目はごまかせない、そこに原動力があったのでしょう。


姉妹都市!?ウルトラの星「M78星雲 光の国」


ウルトラマン像が7日、円谷英二監督の出身地である須賀川市の JR 須賀川駅前広場に建立された。ウルトラの星「M78 星雲 光の国」との姉妹都市提携の記念事業だ。震災からの復興をイメージし、今飛び立とうとする姿を表現する。さらに仮想都市「すかがわ市 M78 光の町」への住民登録や住民票発行など、情報発信と幅広い交流を進める。


ウルトラマンが放映された翌年には、会津若松市での会津博に「ウルトラマン館」を出す。怪獣展示や寸劇など、後のフェスティバルやショーの元祖となった。約8万人が詰め掛け、経営陣は事業の手応えをつかんだという。それはウルトラマンや怪獣の着ぐるみが地方のイベント用にも貸し出されるようになる。


近所に電器店がオープンした時、ゲームセンターが出来た時にウルトラマンと怪獣が来た。二度観に行ったが、怪獣は来てるのにウルトラマンが来ない。店の人が戸惑っているのがわかる。イヴェントの予定時間があるので、結局怪獣と子どもたちのふれあいだけで終わった。

子供心に、残念だったのだろう。帰宅して『どうだった』と聞かれて、ウルトラマンだけ来なかったとぼやいたのだろう。数日後イヴェントで怪獣と一緒に撮影した写真が届いた。それを張ったアルバムに、わたしの感想を母が書き添えていた。


今日、やってきた怪獣は前にウルトラマンにやっつけられた怪獣だよね。ごめんなさいって、ウルトラマンと友だちになったから代わりにやってきたのよ。そして、ウルトラマンはまた新しい怪獣と戦わなくちゃいけない用が出来て、約束の時間に間に合わなかったのよ。

ウルトラマンにはどんどん、悪い怪獣をやっつけてもらわなくちゃいけないでしょ。


行き掛けは勇んで走って出かけたが、西日が随分と傾いていた。帰宅途中の夕焼は覚えている。母の言った言葉は深く印象から消えない、ウルトラマンが夕日の中、イヴェントに間に合わなかったことを残念そうに飛んでいる姿を重ね合わせてイメージしていた。


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『ウルトラマンが来る』という宣伝で、怪獣が来た。お店の人はあまり詳しくなかったのかもしれない、『ウルトラマンの怪獣が来る』だったのかもしれない。

子どもたちの冷ややかな反応に、子どもたち以上に戸惑っていたのはお店の人たちだったかもしれない。

それから年月が経って、かつて“変身”したかった男の子、女の子がイヴェントにウルトラマンを呼んでいるだろう。それでもかつてのウルトラマンとは事情が変わっている。

ウルトラマンは極秘裏に製作が進行されたそうだ。その企画稿では『ウルトラマン』ではなく、『レッドマン』。『宇宙人ベムラー』という名前もある。シルバーに赤いラインの巨人が敵なのか、正義の味方なのかは明らかでないって展開も当時あったかもしれない。金城さんが脚本したウルトラセブンには、そうした問いかけが底辺に芽生えていましたね。『レッドマン』のデザインは、とてもベリアルを思わせる。




かつて“変身”したかった・・・男の子も女の子も - 7月10日、ウルトラマンの日
 
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