デッカがステレオ時代に入った1958年に満を持して発表したのが Full Frequency Stereo Sound (FFSS) =高音質ステレオ録音によるレコードです。アメリカではクラシック音楽やイージーリスニングと言ったアコースティックな音楽は米LONDONレーベルとして発売。CD時代になってDECCA音源の廉価盤がロンドンレーベルとして発売されるようになって印象は良くないようですが、レコード盤は英国DECCAでプレスしたものを輸入してジャケットだけをアメリカ仕様で発売していました。高級志向でゴージャスなジャケットデザインの印象が強いです。
ジャズのレコードでヨーロッパに原盤を持っているレーベルに多く見られるのが、初版のジャケットは裏側の解説文のインクが独特の青いインクを使っているので『ブルーバック』と言われています。
ヴィヴァルディの《四季》は、イ・ムジチの演奏が印象深く。イ・ムジチが来日する度に日本側からの要望で、いつも《四季》を演奏することに閉口していたという話もあるほど。ちょうどステレオ最盛期が一般家庭で当たり前になっていった時代で、イ・ムジチの《四季》の日本盤には楽譜がおまけとしてついていたことから購入をそれで決めたという音楽通の昔話は多いようです。このミュンヒンガー盤がイ・ムジチに先立つステレオ録音で最初のレコード。レコード史を飾るに欠かせない録音です。ジャケット表面はコーティングされていないので、写真の発色が冴え無い出来になるのが口惜しいです。
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- レーベル:米 LONDON
- レコード番号:CS - 6044
- オリジナリティ: ffssラージ・ラベル、ミゾ有り、1stラベル、オリジナル
曲目:ヴィヴァルディ:四季
演奏:
- クロイツィンガー(ヴァイオリン)
- 指揮: カール・ミュンヒンガー
- 管弦楽: シュトゥットガルト室内管弦楽団