2010-05-06

【夕暮れまでのクラシック】ハイドン:交響曲第94番《驚愕》

2010-05-06 0

午後は微睡んでいる時が多い、そうでなくても仕事に出るまでの時間静かに短い眠りを取るようにしています。夜の仕事への気持ちの切りかえにもなるからです。軽い眠りは布団に横になるよりも何かにもたれている方が目覚めに効果があると言います。オフィス仕事の肩は食後の昼寝は、座った姿勢でデスクで取るのが良いと「ためしてガッテン」で言っていたと記憶しています。学生時代にうとうとしていたのを思い出します。無理に目を開けていても授業内容は頭に入らない。保健室に行って寝ていると誰かがイタズラしに来るし、休み時間も油断がならない。午後の授業中のまどろみは本当に気持ちが良かった。
夜の仕事をするようになって、学校を帰ってから直ぐ制服の脱いだまま短い間音楽を流しながら眠りを散る週間がずっと続いています。

たそがれの時間。特に穏やかなひだまりの中で、耳に馴染み良いのがハイドンの音楽。
今日はジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏で《驚愕》 [ Sony Classical SICC-20109/20110 ] を聞きました。
ジョージ・セルの録音は固くて無味乾燥だというイメージが日本のクラシック愛好家には根強いのですけど、ぜひハイドンから聞き返してみられることをお薦めします。ハイドンの交響曲は退屈だというイメージも払拭してくれることでしょう。しかし、セルは自分の気に入った作品しか録音を残していません。ということはハイドンの交響曲全曲盤は義務的な録音で残している演奏家が多いことも確かなことかも知れません。

ハイドンはクラシックの作曲家の中では、とても裕福な作曲家でした。もしかしたら残した財産はハイドンが一等賞かも知れません。30年も勤め上げたエステルハージ候のところを退く時の貯蓄は200ポンド。それでもたいしたものなのですけど、ロンドンの興業主であったザロモンの作曲依頼のギャランティは「新作の交響曲に対してそれぞれ1曲あたり300ポンド、それらの指揮に対して120ポンド」等々という破格のものでした。ハイドンの作品の優秀さだけでなく、エステルハージ侯爵家に30年も務めていたと言うことも役に立っているのでしょう。

この交響曲はハイドンがイギリスを訪れたはじめの年、1791年に作曲されたと考えられていて「ロンドン交響曲」と呼ばれるシリーズの中の1つです。
静かに始まる第2楽章で突如として鳴り響くティンパニの連打によって《驚愕》という副題がつけられたと言います。演奏に聴き入ってうとうととしている聴衆の目を覚まさせるために、このびっくりする仕掛けを用意したのでは...という逸話も残っているように、ハイドンは音楽的な創意工夫を数え切れない作品に施しました。

ハイドン作曲 交響曲第94番《驚愕》Hob.1-94
セル指揮 クリーヴランド管弦楽団の録音(1969年録音)は、ブルースペックCDで発売されています→ ハイドン:初期ロンドン交響曲集(第93番~第98番)【Blu-spec CD】


Hob1 - 94  
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hob1-94.mp3 (16997 KB)


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