写真、左手が真東。画面左下は東南方向の雲。夕日に映えて人参色に染まっています。まるで自分で発色しているようにも思えます。東は阿蘇、西は金峰山と高い山に囲まれた熊本。夕暮れの光の変化は面白いんじゃないでしょうか。360度見回すパノラマを楽しみながら日々暮らしています。
ちいさい秋を練習している小学校からの歌声、仏壇の線香の匂い、、、、ネットでの発見、感動は新鮮だけれども聴いて、嗅いで、自分の目で見つけたものに感じていきたい。
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写真、左手が真東。画面左下は東南方向の雲。夕日に映えて人参色に染まっています。まるで自分で発色しているようにも思えます。東は阿蘇、西は金峰山と高い山に囲まれた熊本。夕暮れの光の変化は面白いんじゃないでしょうか。360度見回すパノラマを楽しみながら日々暮らしています。
ちいさい秋を練習している小学校からの歌声、仏壇の線香の匂い、、、、ネットでの発見、感動は新鮮だけれども聴いて、嗅いで、自分の目で見つけたものに感じていきたい。
豊穣の海、バッハの音楽の大海を堪能するといっても適えられないことがあります。去勢しているカストラートの歌声が、それです。当時の教会では女性の演奏家は使えませんでした。教会での制限に限らず、モーツァルトが宮廷で活動をしている頃にも去勢した男性が女性役を歌っているのは当たり前のことでした。今では女性ソプラノが歌うのが通常で、当時は男性だったからとカウンターテノールや、ソプラニスタの歌声をカストラートをしのぶ手慰みとしています。
カウンターテノールは男性の高い声を聞かせることで、それよりも高い女声に近い声がソプラニスタとして世界で3人しかいないとかって話題にしていたりもしましたけれども、様はファルセット(裏声とは正確には同じではないようですけれど)で歌唱力が未熟とはいってもボーイ・ソプラノの方がわたしは好ましく感じています。本当のカストラートはどうだったのかと思いますけど、ソプラニスタには女的である印象があったりして苦手です。もしかしたら去勢に近い、男性器異常があるかも知れませんね。それとも、性欲の薄い男性は声が高いのかな。
楽器は古いものが見つかったら修復して演奏することが出来ますから、昔もこういう音色だったんだなって楽しむことが出来ますけど歌声、人の声は記録に残す他はないものですからカストラートの声って実際はどんなだったのでしょうね。
さて、バッハの時代。ドレスデンの宮廷にビンディというイタリア人カストラートがいました。1730年、45歳のバッハがビンディが歌うことを前提に作曲したのがカンタータ第51番“凱歌を挙げよ、神に、全地で”です。イタリアの音楽に憧れていたバッハがオペラのアリア風に書いた教会カンタータです。トランペットとコロラトゥーラが華やかに絡み合っています。中間部の抒情性は、敬虔さよりもロマンティックな歌と言っても良いほど。トランペットではなくてテノールだったとしたら、オペラのデュエットのようです。
聖書の言葉に当てはめて作曲したものがカンタータですから、バッハが楽しめるオペラを作曲できたかどうかは適えられない夢ですけれども、技法を駆使したオペラになっていたことでしょう。
カンタータ第138番“なぜ憂えるのか、私の心よ”の作曲は1723年。バッハの作品はあいうえお(アルファベット順)に目録になっていますので、番号と作曲された時代は前後しています。この曲は第51番と同じく“三位一体”のカンタータで、9月の第一日曜日からお彼岸(ヨーロッパの古い宗教は太陽の運航に従っていることがあって、秋分や冬至と言った節目が日本に近いです)前の日曜日の間に聴く音楽です。
フーガの技法は、バッハの最後の作品となった未完の音楽で演奏する楽器の指定がないことから謎が多くて、且つ、そこがジャズのプレイヤーも演奏したりする刺激の多い曲。技術的に極まれりという感じで親しみやすい音楽ではないですね。感性的に演奏をするジャズメンが興味を持つって面白いですよね。大抵CD2枚組なんですが、今日の放送で紹介された演奏は一枚物CDです。ロレンツォ・ギエルミはともにイタリア(ミラノ)で1738年(曲が着手される頃)に作られたチェンバロと、1749年(バッハが亡くなる頃)につくられたピアノフォルテを使って演奏。放送では全体から4曲が紹介されていますが、弦楽四重奏も交えていて未完のコントラプンクトはギエルミ自身が補完して演奏しています。2009年に発売されたばかりの最新の解釈による“フーガの技法”として楽しんでみてはいかがでしょうか。
バロックの森 -バッハの作品-
NHK-FM、2010年9月17日、金曜日。午前6時放送。
案内・礒山雅
- バッハの作品 -
「“フーガの技法"BWV1080から」 バッハ作曲
(チェンバロ、フォルテピアノ)ロレンツォ・ギエルミ
<Winter&Winter 910 153-2 > ※2009年6月9日発売