2009-12-11

バロックの森 12月第2週 待降節をむかえて、しずかにクリスマスを迎える準備をいたしましょう。

2009-12-11 0

師走をむかえて、街中は賑わいを増しています。短い時間、人混みの中を行ったり来たりしただけで熱っぽくなってしまっています。先日もクラシックレコードの資料を受け取る為にミーティングに行ったのはほんの短い時間でしたのに、困ったものです。インフルエンザに仮登録したのかと思えてしまいます。表から帰ったら、手洗いとうがいは丁寧に欠かせないようにしましょう。

出かけたわけでもなくても、玄関先でのお客さんとのおしゃべりのあとも気をかけていた方が良いでしょう。外気も怖いですし、お客様はいろいろな方と接してから来ていたりしますので、屋内でのんびりとしていた身体には帰って怖いかも知れません。

最近思ったのが、母が咳をしていたのは室内が寒かったとかではなくて、「ただいま」と帰宅して顔を見せていたわたし自身にも要因があったのではないかと言うこと。帰って来たら顔をすぐ見たいというので、母の部屋は玄関に一番近い部屋にしていたわけですのでバスルームに行くより先に顔を出していたのでいったん洗面を済ませてから顔を出していれば良かったのかも知れません。

高齢者の肺炎の話しが、NHKの今日の健康で放送されていたのでそんな風に考えたのですけど、夕べ久し振りの友達が遊びに来て玄関先で30分はひとしきりの話しはしたでしょうか、すぐには感じなかったのですけど、それから半日近く経った現在、早朝で冷え込んできたこともあるでしょうけど少し熱っぽいです。雨も降っていたので身体が冷えたのは事実でしょう。

さて、クリスマスはクラシック音楽も第九、ニューイヤーコンサートと話題も賑わってきます。バロック音楽の中心はクリスマス音楽にあると言えるほど、大切な季節です。教会で神様に祈ることから音楽が始まったのだとするならば、クリスマスというイヴェントは音楽を市井に広める貢献も大きいものだったでしょう。教会で演奏される宗教音楽の中にあって、クリスマスの季節に演奏される曲はとても親しみがあります。

バロック音楽の宗教曲への苦手意識に刺激を与えるのには、とても良いチャンスです。クリスマスから新年にかけて演奏される「クリスマス・オラトリオ」。バッハはこの曲を、それまでに書いた曲からピックアップしてまとめています。それも朗らかな曲を集めていますから、親しみを持つのにふさわしいです。声楽、合唱曲になじみはなくても「クリスマス協奏曲」は楽しいでしょう。ゆっくりとした旋律を器楽だけで演奏する「パストラーレ」という楽章を持っている合奏曲を、「クリスマス協奏曲」と言われます。コレルリやアルビノーニの合奏協奏曲集に一曲ずつある「クリスマス協奏曲」は、イ・ムジチの演奏でバロック音楽がレコードで多くのクラシック愛好家に聴かれるようになるすてきな足がかりになりました。ベートーヴェンやモーツァルト、ショパンほどにはバロック音楽はまだまだクラシック愛好家でもなじみの歴史は浅く、50年少々のものです。歴史は400年もさかのぼれるものですけど、耳で楽しむことが出来るようになったのはビートルズと同時期だと言えるでしょう。

古い伝統はあるけれども新しく、どんな演奏家にとっても大変に新鮮で、刺激的なもの。それがバロック音楽の愉しみです。

2009.12.7(月)~12.11(金)

Christmas

ご案内:大愛崇晴

今週は、クリスマスに関係の深い作品を中心にお送りします。

月曜日には、1724年の12月、待降節(たいこうせつ)の第1日曜日に演奏されたバッハの教会カンタータ第62番《来たれ、異教徒の救い主よ》をお送りします。待降節とは、キリスト教の暦で、キリスト降誕の日、つまりクリスマスを待ち望む清めの時期にあたります。バッハが音楽監督をつとめていた当時のドイツの街ライプチヒでは、この時期、華美な音楽の演奏は禁じられ、唯一最初の日曜日だけに音楽の演奏が許されていました。このカンタータはプロテスタント教会の開祖、ルターによる讃美歌をもとに作曲されていて、バッハは十年前の待降節の第1日曜日のためにも、ルターによる同じ讃美歌にもとづくカンタータ(第61番)を作曲しています。

火曜日は、ヴィヴァルディの教会音楽の代表作《グロリア・ミサ》(RV.589)をお送りします。この作品は、ミサの礼拝で歌われる言葉のうち、栄光の讃歌「グロリア」の節を歌詞として用いています。どのような機会のために作曲されたものかは特定されていないものの、クリスマスにふさわしい、はなやかな雰囲気に満ちています。

水曜日は、17世紀ドイツ・プロテスタント音楽の大家シュッツ晩年の名作《クリスマス・オラトリオ》を聴いていただきましょう。テノール演じる福音史家が、語るような歌い方で淡々とキリスト誕生にまつわる物語を歌っていくなか、独唱や合唱によって聖書の登場人物たちが次々と現れ、心温まるクリスマスの物語をつむいでいきます。

木曜日は、来年生誕350年の記念の年を迎えるイタリア・バロック音楽の大作曲家、アレッサンドロ・スカルラッティによるクリスマスのためのミサ曲を、金曜日には、同じくアレッサンドロ・スカルラッティによるクリスマスのための宗教的なカンタータをお送りします。

ところで、バロック時代には、「パストラーレ」と呼ばれる舞曲風のゆったりとした器楽曲が、キリストの誕生を天使によってはじめに告げられた羊飼いたちを連想させるところから、クリスマスを象徴する音楽として盛んに作曲されました。今週は、コレルリの有名な《クリスマス協奏曲》をはじめとして、そのパストラーレを含む作品もいくつか聴いていただきましょう。

2009年12月7日(月) ご案内:大愛崇晴
カンタータ第62番「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV.62
バッハ作曲
ソプラノ:ナンシー・アージェンタ
アルト:ペトラ・ラング
テノール:アントニー・ロルフ・ジョンソン
バス:オラフ・ベーア
合唱:モンテヴェルディ合唱団
合奏:イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
(18:20)
<ユニバーサル UCCA-1007>

フルート、オーボエ・ダモーレとヴィオラ・ダモーレのための協奏曲 ホ長調
TWV.53:E1
テレマン作曲
フラウト・トラヴェルソ:有田正広
オーボエ・ダモーレ:ハンス・ペーター・ウェスターマン
ヴィオラ・ダモーレ:アンドルー・マンゼ
合奏:ラ・ストラヴァガンツァ・ケルン
(16:29)
<コロムビアミュージックエンタテインメント COCO-70726>

2つのフルートのための協奏曲 ト長調
クヴァンツ作曲
フラウト・トラヴェルソ:イェト・ウェンツ
フラウト・トラヴェルソ:マリオン・モーネン
合奏:ムジカ・アンティクァ・ケルン
指揮:ラインハルト・ゲーベル
(12:31)
<Archiv 447 644-2>

2009年12月8日(火) ご案内:大愛崇晴
オルガン協奏曲 変ロ長調 作品4第2
ヘンデル作曲
オルガンと指揮:オッターヴィオ・ダントーネ
合奏:アカデミア・ビザンティーナ
(11:34)
<Decca 478 1465>

グロリア・ミサ ニ長調 RV.589
ヴィヴァルディ作曲
ソプラノ:キャサリン・フーグ
アルト:ルーシー・バラード
アルト:マーガレット・キャメロン
アルト:エリナー・カーター
合唱:モンテヴェルディ合唱団
合奏:イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
(27:51)
<Philips 462 597-2>

合奏協奏曲 ハ長調 作品3第12
マンフレディーニ作曲
バイオリン:アンネ・シューマン
バイオリン:アルムート・バックハウス
合奏:レザミ・ド・フィリップ
指揮とチェンバロ:ルートガー・レミ
(7:30)
<CPO 999 638-2>

2009年12月9日(水) ご案内:大愛崇晴
みどりごがわたしたちのために生まれ
スウェーリンク作曲
オルガン:グスタフ・レオンハルト
(3:40)
<BMGビクター BVCD-1805>

クリスマス・オラトリオ
シュッツ作曲
福音史家(テノール):クリストフ・プレガルディエン
ソプラノ:モニカ・フリンマー
カウンター・テノール:デーヴィッド・コーディア
カウンター・テノール:クリストファー・ロブソン
テノール:ウィリアム・ケンドル"
テノール:ルーファス・ミュラー
バス:ペーター・コーイ"
バス:ミヒャエル・フォレ
バス:トーマス・ヘルベリヒ
バス:フランツ・ヨーゼフ・ゼーリヒ
合唱:シュツットガルト室内合唱団
合奏:ムジカ・フィアタ・ケルン
合奏:シュツットガルト・バロック管弦楽団
指揮:フリーダー・ベルニウス
(31:42)
<CBS/SONY CSCR8385>

リコーダー・ソナタ ハ長調 作品1第7
ヘンデル作曲
リコーダー:レイチェル・ブラウン
ハープシコード:リチャード・エガー
(11:51)
<Harmonia mundi usa HMU 907465.66>

2009年12月10日(木) ご案内:大愛崇晴
序奏とパストラーレ
パスクィーニ作曲
オルガン:ロレンツォ・ギエルミ
(4:57)
<Nuova Era 6890>

合奏協奏曲 ヘ短調 作品1第8
ロカテルリ作曲
合奏:イタリア合奏団
(14:57)
<日本コロムビア COCO-78912>

イエス・キリスト降誕祭のためのミサ曲
アレッサンドロ・スカルラッティ作曲
合唱と合奏:コンチェルト・イタリアーノ
指揮:リナルド・アレッサンドリーニ
(27:56)
<Naive OP 30461>

2009年12月11日(金) ご案内:大愛崇晴
バイオリン協奏曲 ホ長調 「休息、降誕祭のために」 RV.270
ヴィヴァルディ作曲
バイオリン:フェデリコ・グリエルモ
合奏:イタリア合奏団
(8:40)
<日本コロムビア COCO-78912>

合奏協奏曲 ト短調 作品6第8 「クリスマス協奏曲」
コレルリ作曲
合奏:ラ・プティット・バンド
指揮とバイオリン:ジギスヴァルト・クイケン
(14:40)
<BMGジャパン BVCD-1618-19>

モテット「恵み深いみ子よ、あなたはお生まれになる」
マッツォッキ作曲
ソプラノ:スーザン・ヘミントン・ジョーンズ
ソプラノ:サラ・ペンドルバリー
合奏:ガブリエリ・プレーヤーズ
指揮:ポール・マクリーシュ
(6:19)
<ユニバーサル UCCA-3106>

カンタータ「おお、ベツレヘムの誇り高き貧しさ」
アレッサンドロ・スカルラッティ作曲
ソプラノ:ナンシー・アージェンタ
合奏:イングリッシュ・コンサート
指揮とオルガン:トレヴァー・ピノック
(16:16)
<ポリドール POCA-1086>

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