2010-04-27

竜安寺の石庭

2010-04-27
山本邦山さんのアルバム「銀界」は和物ジャズでは特に有名なレコードです。和楽器の尺八と、ピアノ、ベース、ドラムというピアノトリオの形態で、クラシック音楽のフルート・カルテットと言った根本的なスタイルを聴かせてもいます。4人がバランスを持ってプレイするというものではなくて、山本邦山が菊地雅章のピアノ・トリオに挑戦すると言った音楽になっていると言ったらいいでしょうか。
録音は難しいものではなかったのでしょうか。昭和45(1970年)10月15日と20日の2日間、ビクター・スタジオで行われています。

初発は日本盤で、1971年。レコード番号は FX-8509 です。ジャケットはダブル・ジャケット。

実際どうだったのかは分かりませんけど、なか4日間空いていると言うことで音決めが難しかったんではないかとわたしなりの推測です。プロデュースは本城和治さん。「フィリップス・ニューミュージック・シリーズ」の1枚で、録音の面白さが本社でも注目されたのでしょう。1977年にフランスから PHILIPS 6385 929 として国際的にリリースされています。この時に日本でも再発売。

レコード番号が FS-6505 はこの時の2ndプレス盤(1977年発売)です。

1977年はレコード100年を記念した年でした。ステレオの再生装置が普及。一体型のセットからコンポーネントのスタイルが定着することになります。山本邦山さんの銀界のレコードも、この頃に聴いたというオーディオファイルが多いかも知れません。レアなレコードというほどではないものですけど、国内、海外問わずに愛聴者が多くてジャズ・ファンに限らず、聴いてみればクラシックの特にバロック音楽が好きなオーディオファイルも魅了されるはずです。尺八というとシャープな音の立ち上がりを思いますけど、ここでの演奏は各楽器の間隔を置いた、あたたかみのあるサウンドステージとなっています。
己への問いかけのような尺八独特の演奏技巧を効かせるものではなくて、洋楽器との対話が心地良く行われています。そのあたりが評判の良い重要なポイントでしょう。SHM-CDにもなりましたので、未聴のオーディオファイルは聞いて下さい。まさにオリエンタル、クール、スピリチュアル・ジャズの名作です。

中古盤の市場では、5,000円ラインが一般的です。

曲はアルバムA面3曲目の、竜安寺の石庭。チャーリー・マリアーノ作曲。アルバムの他の5曲は、菊地雅章作曲。

演奏:
尺八:山本邦山、ピアノ:菊地雅章、ベース:ゲイリー・ピーコック、ドラムス:村上寛。
エンジニア:吉沢典夫。

Stone Garden Of Ryoan Temple  
Download now or listen on posterous
Stone Garden of Ryoan Temple.mp3 (7165 KB)

山本邦山銀界

Posted via email from littleconcert's posterous


0 コメント:

 
アマデウスレコード☃ブログ組曲第4番. Design by Pocket