20世紀後半のヨーロッパから生まれた最高の弦楽四重奏団ともてはやされたアルバン・ベルク・クァルテット(ABQ)は、2008年をもって40年に及ぶ活動に終止符を打つと表明、日本でも5月21日から6月2日まで全国各地で解散コンサートを開いた。
1970年にウィーン音楽院の若手教授によって結成されたアルバン・ベルク・クァルテットはデビュー前、当時最も尖鋭な演奏を聴かせていたアメリカのラサール・クァルテットに師事した。ウィーンの弦楽四重奏の伝統に新鮮で快活な血を注ぎ入れた表現は、1971年のデビューから世界中のファンを魅了し続けた。
日本での解散コンサートでも演奏されたのが、グループ名になっているベルクの作品で、デビュー時も演奏した弦楽四重奏のための《抒情組曲》(全6楽章)。隠された愛を描いた私小説的な音楽なので、「情熱的なアダージョ」と指示された第4楽章も官能美を秘めた、ためらう恋の音楽になっている。
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