2010-04-28

ヴェルディ作曲 歌劇「運命の力」最新対訳シリーズ 第一幕第二場前半 #LaForzadelDestino

2010-04-28
ドン・アルヴァーロ、または運命の力・・・と言うのが、原作の題名。時代は18世紀中期、場所はスペインのセヴィリャで幕が開きます。第3幕でイタリアの戦場、ヴェッレトリに移るのですけれどもメルヘンオペラではともかくも、幕毎に国を移動していたりするのはヴェルディのオペラの特長ではないかしら。

第一幕は上演ではわずかに20分ほど。序幕と言ってもいい感じです。第一場では、なんだか心ここにあらずのレオノーラ。父親の侯爵が娘の部屋のバルコニーの窓が開いているのに気がついて慌てて締めにかかります。風邪をひかないように?いえいえそうではありません。不用心だというのです。

そう、レオノーラの部屋の窓を見上げている男がいるのです。その人物がアルヴァーロ。インカ帝国の血をひく人物なのです。そう、「運命の力」は16世紀から18世紀までに及ぶ歴史的背景を頭に入れておくと興味深く楽しめることでしょう。長いこと反映を誇ったアステカ王国はスペイン人のわずかな人数で滅んでしまいますね。この滅ぼされた帝国の血をひく青年がレオノーラと相思相愛になっていたばかりに、運命の女神の使い魔としてコントロールされてしまうという悲劇なのです。なんと壮大なバックヤードなのでしょう。

舞台効果の著しい『アイーダ』は一種アトラクション的な作品。博覧会のようなシチュエーションで上演されるためのものだったので当然ですけど、上演機会の少ない『運命の力』は上演を成功させる意味合いはとても大きいと思います。オペラのストーリーの後ろにあるどろどろとしたカオスを何処まで感じさせることが出来るか、そこがポイントでしょう。

ATTO PRIMO

SCENA II

Curra segue il Marchese, chiude la porta ond'è uscito, e riviene a Leonora abbandonatasi sul seggiolone piangente


第1幕・第2場。クーラは侯爵のあとについて、彼が出て行った扉を閉め、レオノーラのところへ戻る。レオノーラは、椅子に身を投げかけて涙にくれている。 #LaForzadelDestino

posted at 00:42:08

CURRA
Temea restasse qui fino a domani.
Si riapre il veron.
Tutto s'appronti, e andiamo.

Toglie dall'armadio un sacco da notte in cui ripone biancherie e vesti.

クーラ「(旦那様が)明日までここに居残られたら、と心配でしたわ。」 #LaForzadelDestino

posted at 00:47:07

クーラ「この窓はもう一度あけて…」(その通りにする)「…準備はできましたわ。ではまいりましょう。」(クーラはクローゼットの中から旅行鞄を出し、下着や衣服を詰めていく#LaForzadelDestino

posted at 00:58:26

LEONORA
E si amoroso padre,
avverso fia tanto ai voti miei?
No, no, decidermi non so.

レオノーラ「…だって、あんなに愛してくださるお父様が、私の願いに大反対するなどということがありえるかしら? いいえ、だめ、決心がつかないわ。」 #LaForzadelDestino

posted at 01:04:23

CURRA
Che dite?

クーラ(荷造りを続けながら)「なんとおっしゃいました?」 #LaForzadelDestino

posted at 01:09:49

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