モーツァルトには音楽家になるほかに、選ぶものは何もなかったから幼い時からピアノでも、ヴァイオリンでも、楽器を何か秀でるしか生きていく方法はなかった。お父さんのレオポルドは街のお祝いで楽器を弾く、大工さんで生涯を終わりたくなかったから宮廷に潜り込んだ。郷里を捨てた。
7人の子供をもうけたけれども、ナンネルとウォルフガングは育った。子どもが小さいうちに病気などでなくなっていた時代のことです、ナンネルとウォルフガングがいなかったらレオポルド・モーツァルトの名前は今よりは注目される音楽家になっていたと思います。
高度な音楽教育を受けたから、モーツァルトは大作曲家になったのでしょうか。他のことに思いをはせるものが考えられなかったからではないかしら。
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ご案内:赤塚健太郎
2010.3.8(月)~3.12(金)
今週は、バロック時代の音楽家の家族関係に焦点を当ててお送りします。
月曜日は、音楽家の親子関係をテーマにお送りします。親子で音楽家というと、バッハとその息子たちが有名です。バッハは息子たちに熱心な音楽教育を施しました。一方、フランスのヴィオール奏者フォルクレーは、自分の息子が優れたヴィオールの才能を示すと、それに嫉妬して息子を追放するという振る舞いに出ました。
2010年3月8日(月) ご案内:赤塚健太郎
(副題:バロック時代の音楽家の家族関係に焦点を当てて(1))
トリオ・ソナタ ト長調 BWV.1038
(伝)バッハ作曲
合奏:アンサンブル・アウロラ
(7:32)
<Arcana A306>
ソナタ ト短調
作曲者不詳
フラウト・トラヴェルソ:中村忠
チェンバロ:曽根麻矢子
(10:56)
<Cecile IMS 9701>
「組曲 第5番 ハ短調」から
ラモー
ボワソン
シルヴァ
ユピテル
アントアーヌ・フォルクレー作曲(ジャン・バティスト・フォルクレー編曲)
クラヴサン:ミッツィ・メイヤーソン
(18:38)
<Dabringhaus und grimm MDG 605 1101-2>
「ヴィオール曲集 第5巻」から
マレーの息子のためのトンボー
シャコンヌ ト長調
マレー作曲
ヴィオール:ヴィーラント・クイケン
ヴィオール(通奏低音):上村かおり
クラヴサン:ロベール・コーネン
(10:12)
<Accent ACC 78744 D>
火曜日は、兄弟音楽家の作品を聴いていただきます。まず、18世紀中頃まで活躍したイタリアのサンマルティーニ兄弟の作品をお送りします。兄はロンドンで管楽器奏者として活動し、弟はミラノで教会の楽長などを務めました。続いて、バッハの息子の中から、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハとヨハン・クリスティアン・バッハの作品をお送りします。ヨハン・クリスティアン・バッハは、若い頃に兄カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの世話になった時期があり、音楽的にも影響を受けています。
2010年3月9日(火) ご案内:赤塚健太郎
(副題:バロック時代の音楽家の家族関係に焦点を当てて(2))
ソナタ ト長調 作品13第4
ジュゼッペ・サンマルティーニ作曲
リコーダー:モーリス・シュテーガー
ファゴット:クリスティアン・ボイゼ
ハープ:マルグレート・ケール
テオルボ:エドゥアルド・エグエス
チェンバロ:セルジョ・チオメイ
(12:02)
<Harmonia mundi(仏) HMC 905266>
シンフォニア ニ短調
ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニ作曲
合奏:アラディア・アンサンブル
指揮:ケヴィン・マロン
(13:54)
<Naxos 8.557298>
ファンタジア ヘ長調 Wq.59-5
エマヌエル・バッハ作曲
クラヴィコード:ジョスリーヌ・キュイエ
(5:29)
<Fuga libera FUG536>
チェンバロ協奏曲 ヘ短調
クリスティアン・バッハ作曲
チェンバロ:ジャック・オッホ
合奏:レゼレマン・アムステルダム
(16:42)
<Globe GLO 5139>
水曜日は、フランスのクープラン一族の音楽をお送りします。クープラン一族は、バッハ一族と並んで有名な音楽家一族です。この一族の音楽家3人の作品を聴いていただきますが、3人はいずれもパリのサン・ジェルヴェ教会のオルガン奏者を務めていました。
2010年3月10日(水) ご案内:赤塚健太郎
(副題:バロック時代の音楽家の家族関係に焦点を当てて(3))
組曲 ニ短調
ルイ・クープラン作曲
クラヴサン:ボプ・ファン・アスペレン
(18:34)
<Aeolus AE-10094>
「二つのミサ曲からなるオルガン小曲集」の「教区のためのミサ曲」から
オッフェルトリウム
サンクトゥス
ベネディクトゥス
アニュス・デイ
フランソア・クープラン作曲
オルガン:スコット・ロス
(17:45)
<Stil 0608 SAN 85>
優しき思い
ラフリジェ
ラ・ドゥ・ブリュイル
アルマン・ルイ・クープラン作曲
クラヴサン:広沢麻美
(12:02)
<BIS BIS-CD-982>
木曜日は、音楽家とその妻の関係に焦点を当ててみます。バッハの二人目の妻であるアンナ・マグダレーナは、楽譜の筆写を通じて夫の創作を助けたことで知られています。一方、結婚相手とうまくいかなかったのが、同じドイツの音楽家テレマンと、フランスのバイオリン奏者ルクレールでした。
2010年3月11日(木) ご案内:赤塚健太郎
(副題:バロック時代の音楽家の家族関係に焦点を当てて(4))
「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」から
レシタティーヴ「わたしは満ちたりて」
アリア「眠れ、疲れし眼よ」
バッハ作曲
ソプラノ:ヨハネッテ・ゾマー
チェンバロ:ピーテル・ヤン・ベルデル
(8:24)
<Brilliant Classics 99375/13>
「忠実な音楽の師」から トリオ・ソナタ イ長調
テレマン作曲
合奏:カメラータ・ケルン
(13:08)
<BMGビクター BVCD-3012~14>
歌劇「シラとグロキュス」から
序曲
第1幕の抜粋
ルクレール作曲
ソプラノ:アニェス・メロン
合唱:モンテヴェルディ合唱団
合奏:イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
(13:00)
<Erato 2292-45277-2>
バイオリン・ソナタ ハ短調 作品5第6 「トンボー」
ルクレール作曲
バイオリン:パトリック・コーエン・アケニヌ
合奏:レ・フォリー・フランソアーズ
(12:54)
<Alpha 083>
金曜日は、音楽家の娘と結婚した「婿さん音楽家」をテーマにお送りします。北ドイツの都市リューベクの聖マリア教会では、婿入りすることでオルガン奏者の地位を継ぐ例が見られました。バッハもこの地位を打診されたことがあります。そのバッハの婿の中にも、音楽家として重要な貢献をした人物がいました。
2010年3月12日(金) ご案内:赤塚健太郎
(副題:バロック時代の音楽家の家族関係に焦点を当てて(5))
前奏曲 イ短調
コラール前奏曲「来たれ、聖霊よ」
ブクステフーデ作曲
オルガン:ピート・ケー
(11:40)
<Brilliant Classics 93413>
コンセール 第1番
シーファーデッカー作曲
合奏:ベルリン古楽アカデミー
(11:04)
<Harmonia mundi(仏) HMC 901852>
カンタータ第80番「神はわがやぐら」 BWV.80
バッハ作曲
ソプラノ:バルバラ・シュリック
カウンター・テノール:ジェラール・レーヌ
テノール:ハワード・クルック
バス:ペーター・コーイ
合唱と合奏:シャペル・ロワイヤル
合唱と合奏:コレギウム・ヴォカーレ
指揮:フィリップ・ヘレヴェヘ
(24:43)
<Harmonia mundi(仏) HMC 901326>
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