2010-04-12

ジャズロックからプログレへの発展期のロック名曲 : Van Der Graaf Generator - After The Flood 1970年のロック

2010-04-12
ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター 略して、VDGG。1978年に解散したバンドですが、2004年に復活。2008年に来日をしています。
ジャズ、クラシックでも有名なマーキュリーレコードの元で発足したカリスマ・レコードは、ナイス、VDGG、ジェネシスと送り出してきた勝ち組レーベル。先日(4月8日に)亡くなったマルコム・マクラーレンもカリスマレコードのアーティストです。アトミック・ルースターもこのレーベルからリリースしていました。録音は優れていたのですけれども、アトランティック・レーベルとの提携が切れたあとアリスタ、VIRGIN、EMIから発売される事になって盤が薄くなって優秀な音を再生するにはデリケートな問題が出てきました。

再発盤では音の重なりが何処まで楽しむ事が出来るか、尚、オリジナルのこのアナログレコードの中古市場相場は 3万5,000円~。良質盤質、完美品となればこれ以上になる事でしょう。




VAN DER GRAAF GENERATOR

1970年発売
The Least We Can Do Is Wave to Each Other
(Side 1)1.Darkness (11/11) 2.Refugees 3.White Hammer (Side 2)4.Whatever Would Robert Have Said 5.Out Of My Book 6.After The flood

ピーター・ヨゼフ・アンドリュー・ハミル(ヴォーカル、アコースティック・ギター)、ヒュー・ロバート・バントン(ピアノ、オルガン、ヴォーカル)、ガイ・ランドルフ・エヴァンス(ドラムス)の3人にニック・ポッター( Nic Potter:bass )、デヴィッド・ジャクソン( David Jackson:sax,flute )を加えた5人編成で1969年12月11~14日の4日間で録音されたセカンド・アルバム。 " After The Flood " の16トラック収録以外は8トラックレコーダーが使用されました。

正確にするならば、70年代当時は16トラックは8トラックの録音機2台をシンクロさせる必要があって技術的に難しいものでした。特にサウンドがびしっと決めたい場合はオーヴァー・ダヴィングで納得する必要がありました。シンクロ録音で微妙なずれが面白い効果を出すので、サイモンとガーファンクルのボクサー/ベイビー・ドライバーはそこを狙った逸品。

プロデュースは以降の2作と同事務所・同レーベルの兄弟バンドであるジェネシスも同時期に担当するジョン・アンソニー( John Anthony )で、音作り・構成にも共通点が伺われます。穏やかさと激しさが交互に展開する曲調は大作 " After The Flood " で最高潮に盛り上がり、以降所謂プログレッシヴ・ロックとカテゴライズされるドラマチックな作風が定着します。

ジャズ・ロックというカテゴリーがあった時代、音楽を聴けばプログレッシブ・ロックのサンプルとは言えないフォーマット。とても自由なスタイルです。しかし、プログレッシブ・ロックの規範とは言えます。プログレッシブ・ロックをクラシカル音楽に当てはめるならば、ハードロック、ジャズ・ロックはバロック音楽という関係が成り立つのではないかとわたしが思っている事を、ここにも当てはめて良さそうです。

録音後ニック・ポッターが脱退(次作の録音には3曲に参加)し、以降ヒュー・バントンがベース・パートを兼任することになります。

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