2010-04-30

映画の中のクラシック音楽 ヒッチコックの鳥

2010-04-30
煙草を吸う時の女性主人公メラニー(ティッピ・ヘドレン)がとてもかっこいい。近年の映画なら削除されてしまうでしょう。
ソファーで火をつけるシーン、煙草を片手に電話を受けるポーズも素敵で、わたしが仕事で相手した男性の煙草を借りて、映画の中でソファーで脚組みをして煙草に火をつけるポーズを思い出してまねしたのが思えば煙草を吸った最初だったかも知れない。
小さい頃立て膝をしていると母に行儀が悪いと注意されたけれども、かっこいい脚の組み方を練習するようになった年頃の時の話し。

ヒッチコックの映画『』の始まった40分ほどのところで、夕食に誘われた女主人公が都会に出て暮らしたいと夢を熱心に語る少女を相手にしながらピアノで弾いている曲は、ドビュッシー作曲《月の光》。2時間1分の映画は静けさに耳をそばだてることが多くて、音楽はこの一曲ぐらいだと言える。
ドビュッシーが作曲したベルガマスク組曲の中の一曲で、ピアニストとして使えていた女主のための音楽。ベートーヴェンの《月光ソナタ》とは対照的で、月の輝きをそのまま音に表した音楽です。聴いているとフランスの月でも良いし、日本人は日本の景色の中の月をイメージしているんじゃないかしら。単純明快な旋律なのに多くの演奏がそれぞれに違う曲、《月の光》ほどバラエティに富んだ音楽は少ないと思います。そしてこれをCDで買いたいという人は、それぞれに聴いて楽しみたいイメージがあるようですね。
ヒッチコックの映画『鳥』も受取手のその時の気持ちの在り方でも、違った感想をもてる作品ではないかしら。



メラニーがアニーの部屋で煙草を吸っている時に、ドアにカモメが突っ込んできた。会話に何か意味があるのか、何かのキーワードで突っ込んでくるのかと思った。
何がきっかけで鳥たちが住人を襲うようになったのか、そしてこの映画の解決の行方は・・・と、何もそれについては結論を出していない映画。街のショットバーで誰々が色々なことを話すだけだ。そして街がカモメの大襲撃を受けた後で『あなたが来てからだ』とメラニーに非難の矛先が向けられる。
都会の風を田舎町に持ち込んだメラニー。メラニーの服、髪型にみんながあこがれた。
わたしもみんなとは違うタイプの女だから、関心を持ってくる人が多い。好きで声をかけるのか、興味本位かはそれぞれに違う。
住民を襲う鳥たちもそれぞれに違うんじゃないかしら。違う種類の鳥は群れないと自称鳥類研究家の女性が言うけれども仲良くなりたい鳥も、その中にいるのではないかしら。

ヒッチコックの映画『鳥』、エンドタイトルがない。シナリオには続きがあったそうで、車でゴールデンブリッヂまでたどり着いたら橋が鳥で覆い尽くされているシーンで終わるのだそうです。人間が鳥かごに入れられてしまうのですね。
しかし、赤いマニキュアのメラニーがつがいのボタンインコ(ラブバード)と同じ色のモスグリーンの服を着ているのが印象的だ。

Clair De Lune by Alberto Cobo 
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DebussyClair de Lune

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