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2025-04-27
イエス・キリスト教会の残響もあってことさらに弦が美しい◉カラヤン指揮ベルリン・フィル ブルックナー:交響曲9番
通販レコードのご案内カラヤンによるドイツ・オーストリアの伝統 ― カラヤンらしい流麗で起伏に富んだ名演、第3楽章は魅力的です。
DE DGG SLPM139 011
(指揮)ヘルベルト・フォン・カラヤン
(管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(曲目)ブルックナー:交響曲9番
1970年代に行われたカラヤン&ベルリン・フィルのブルックナー交響曲全集よりも10年ほど前に録音された第9番。伝説の1966年来日コンサートで演奏したブルックナー8番が日本のファンに喝采を浴びることになりますが、その直前の録音。イエス・キリスト教会の残響もあってことさらに弦が美しく、カラヤンらしい流麗で起伏に富んだ名演です。
カラヤンの録音で一番充実しているのは1970年代後半から80年代前半の録音。再録音の多いチャイコフスキー、ドヴォルザーク、ベートーヴェンと1970年代の演奏は緊張感が違うと思う。朴訥なブルックナーでさえイメージを覆すようなアプローチで、それでいてブルックナー演奏としての説得力にも欠けていない。
カラヤンはブルックナー交響曲の全集録音をグラモフォンで1960年代、70年代、80年代にわたり行っていますが、このブルックナーの《交響曲第9番》はカラヤンとベルリン・フィルの黄金時代の録音として、1970年代半ばに収録された評価の高い強烈なブルックナー全集よりも10年ほど前に録音されていたものです。しかも、これに先立つ約二年前にベルリン・フィルとブルックナー第9番を同じドイツ・グラモフォンにヨッフムが録音しているので、リリース規約のあった当時にあっては異例の企画でしょう。
ジャガイモもカラヤン・シェフの腕でゴージャズでスタイリッシュに変わる。だからといって、ジャガイモ本来の味わいは少しも損なわれていない。繊細さとド迫力。予定調和型の何もないどっしり演奏ではない。これが他の指揮者ではなかなか見られない、自分の信じる流儀を貫くカラヤン流の美学だ。
この録音はブルックナー最後の交響曲を特別に神聖視している風でもなく、後期ロマン派の作品として普通に演奏しているような印象です。第1楽章は滝が流れ落ちるカラヤンらしい流麗で起伏に飛んだ演奏で、悠然としたブルックナー像ではありません。しかし、ヨッフムのブルックナーも多少ともそういう傾向があったはずです。レコード会社が異例を通したポイントはなんだろう。日本公演の直後に行われたヨーロッパツアーから名ホールアムステルダム・コンセルトヘボウで行われた凄絶なライヴがCD発売されもして、伝説の1966年来日コンサートで演奏したブルックナー・交響曲第8番が日本のファンに喝采を浴びることになりますが、その直前の録音。極めてスタイリッシュかつパワフルで録音も素晴らしく、オーディオ的観点からも胸のすく音の洪水。本録音はカラヤンの何時もの重厚感がたまらなく良いし、豪華絢爛なベルリン・フィルも健在。第3楽章は魅力的です。記憶に残るカラヤンのイメージが最も具現化された演奏だ。
この録音はブルックナー最後の交響曲を特別に神聖視している風でもなく、あくまでもドイツ・ロマン派シンフォニーの傑作として捉えたアプローチと、ベルリン・フィルの重厚華麗なサウンドが相まったその聴き応えには、脱帽するほかありません。全三楽章の音楽として仕掛けをする様子も見せず、未完成に終わった作品という現実をありのままに実感させられてしまいます。
他の指揮者に比べて売れた枚数が圧倒的に多いためプレミアムこそ付かないものの、一家に一枚置いておくべきレコード。カラヤン&ベルリン・フィルが確立した「スタイル」を存分に発揮した、オーケストラ音楽とはこうあるべきというカラヤンの信念がビシビシ伝わってくるゴージャスきわまりない演奏です。
1966年3月ベルリン、イエス・キリスト教会での録音。
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
- レコード番号
- SLPM139 011
- 作曲家
- アントン・ブルックナー
- オーケストラ
- ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 指揮者
- ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 録音種別
- STEREO
コンディション
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- EX++
- 製盤国
- DE(ドイツ)盤
BLUE LINE, STEREO 1枚組 (120g)
レーベル・ガイド
《ブルーラインレーベル》黄色地に黒文字、外周が青の二重線で囲まれたものです。通称、BLUE LINEと呼ばれています。2530 etc. で始まります。このラベルにも2種類あり、最初の頃のものはラベル周囲の文字が詰めて印字( GY8 )してあり、後期のものは文字間隔が空けて( GY9 )印字されています。
通販レコード
詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
- オーダー番号25290
- 販売価格2,750円(税込)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(オーストリア 1908〜1989) ― カラヤンはその魅力的な容貌と優雅な身のこなしでたちまちにして聴衆の人気をとらえ、たんにこの点から言ってもその人気におよぶ人はいない。しかも彼の解釈は何人にも、そのよさが容易に理解できるものであった。芸術的に高度のものでありながら、一種の大衆性をそなえていたのである。
元来レパートリーの広い人で、ドイツ系の指揮者といえば大指揮者といえども、ドイツ音楽にかぎられるが、カラヤンは何をやってもよく、その点驚嘆に値する。
2025-04-26
弾き崩した演奏でクライスラー本人の自作自演に匹敵するように魅力的◆カンポーリ クライスラーへのオマージュ
イタリアの青い空、地中海の碧い色。
陽気さ、明るい、そういう音色、
そして一抹の陰り ... 哀愁。
懐かしさと郷愁も感じる、
そんなヴァイオリンの音色に惚れた。
第二次世界大戦勃発直前の1941年頃に潜水艦ソナー開発の一翼を担い、その際に、潜水艦の音を聞き分ける目的として開発され、当時としては画期的な高音質録音方式であった。1945年には高域周波数特性を 12KHz まで伸ばした ffrr( Full Frequency Range Recording 、全周波数帯域録音)仕様の SP 盤を発売し、1950年6月には、ffrr 仕様の初の LP 盤を発売する。特に LP 時代には、この仕様の LP レコードの音質の素晴らしさは他の LP と比べて群を抜く程素晴らしく、当時のハイファイ・マニアやレコード・マニアに大いに喜ばれ、「英デッカ=ロンドンの ffrr レコードは音がいい」と定着させた。LP 第1回発売には、J.S. バッハ作曲「ブランデンブルク協奏曲第4&6番」(LXT-2501、12インチ盤)、同作曲「管弦楽組曲第3番」(LX-3001、10インチ盤)があった。演奏はいずれも、カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団によるものである。
1960年には来日,そのイタリア人らしいベルカント風な演奏が大変うけました。
フリッツ・クライスラーの小品を弾くカンポーリは、クライスラー本人の自作自演に匹敵するような魅力的な演奏を展開しています。イタリア生まれでイギリスで活躍したヴァイオリニスト、カンポーリの演奏は丁寧で歌い回しが自然で美しいことに加えて、テンポがとても良いので、聴いていて非常に心地良く感じられます。「クライスラーへのオマージュ」と題された、同タイプのレコードの中で最も有名で素晴らしいクライスラー名曲集はウィーンの名ヴァイオリニストであったフリッツ・クライスラーが作曲した曲10曲、パデレフスキ、ヴィニアフスキ、タルティーニの作品のクライスラーによる編曲が4曲、グラナドス作曲ベッカー編曲の曲が1曲収められ、「愛の悲しみ」「愛の喜び」「美しきロスマリン」「ウィーン奇想曲」「ベートーヴェンの主題によるロンディーノ」などの有名どころもほぼ網羅されています。センスの良い編曲とセンスの良い演奏で、クライスラーに負けない弾き崩しで魅力的な歌いまわしで小気味良く、大いに楽しめる演奏だ。
類まれな技巧を駆使して豊かな情感が表現されるが、その情感にはあくまで上品で繊細な響きがある。「愛の悲しみ」の弾き始めもクライスラー流の、ゆったりとした速度で歌われるが、その甘さもくどすぎることはない。また、「カルティエによる狩り」のようなリズミカルで技巧的な曲でも、その優雅なテンポの崩し方にはイタリア人らしいベルカント風と言える、カンポーリらしい個性がある。
類まれな技巧を駆使して豊かな情感が表現されるが、その情感にはあくまで上品で繊細な響きがある。「愛の悲しみ」の弾き始めもクライスラー流の、ゆったりとした速度で歌われるが、その甘さもくどすぎることはない。また、「カルティエによる狩り」のようなリズミカルで技巧的な曲でも、その優雅なテンポの崩し方にはイタリア人らしいベルカント風と言える、カンポーリらしい個性がある。
クライスラーへのオマージュ
《英オレンジ銀文字盤》GB DECCA LXT5012 カンポーリ HOMAGE TO FRITZ KREISLER その凄さが、これみよがしになっていないのが心憎い。歌うようなヴァイオリンの音色という形容は、これこそ肉声の歌声を聴いているようなカンポーリの録音にこそ言える至福の一枚。そしてまた、楽譜に書かれた音符から読み取った共感に忠実に、楽器が放つ音に色彩や音量の変化を綿密に施していくカンポーリの音楽性は、トルソーの少女像が甘美な官能的なものに変化していく様な艶めかしさも感じられて脱帽もの。類まれな技巧を駆使して豊かな情感が表現されるが、その情感にはあくまで上品で繊細な響きの持ち主、アルフレツド・カンポーリ。名前からして純粋なイタリア人と思えるが、活躍の場は女王陛下の国英国。バッハもモーツァルトもベートーヴェンもイタリアのやり方を見習い、その手法で自分の音楽を書きましたが、カンポーリは祖国イタリアを、異国の地、英国で DECCA の力を借り、国際スタンダードにした立役者と云ったところか。カンポーリのヴァイオリンは官能的なまでに甘美でありながら、ぴんと張りつめるような緊張感を保って伸びやかに歌っている。イタリア人という彼の中のラテン的な明るさとストラディヴァリスの豊穣な音色が相まって、 ゆっくりとした時間の流れに身を委ねることが出来ます。
1956年リリース。
■オレンジ・ラベル銀文字、ffrr、モノラル録音。イタリアの青い空、地中海の碧い色。陽気さ、明るい、そういう音色、そして一抹の陰り ... 哀愁。懐かしさと郷愁も感じる、そんなヴァイオリンの音色に惚れた。
フリッツ・クライスラーを讃えて〜彼の80回目の誕生日に(クライスラー名曲集)(Ⓟ 1954) 収録曲A1.序奏とアレグロ ("Pugnani")
A2.クライスラー:愛の喜び
A3.クライスラー:愛の悲しみ
A4.道化師のセレナード
A5.美しきロスマリン
A6.クライスラー:ウィーン奇想曲, Op. 2
A7.中国の太鼓, Op. 3
B1.パデレフスキ:メヌエット op.14-1 In G
B2.ヴィエニャフスキ:奇想曲変ホ長調 op.18-4
B3.ヴィエニャフスキ:奇想曲 op.18-4 In A Minor
B4.ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
B5.クライスラー:カルティエによる狩り
B6.クライスラー:ジプシー女
B7.グラナドス:スペイン舞曲集より『アンダルーサ』
B8.タルティーニ:コレルリの主題による変奏曲
レコード詳細
プロダクト
- レコード番号
- LXT5012
- 作曲家
- フリッツ・クライスラー
- 演奏者
- アルフレッド・カンポーリ エリック・グリットン
- 録音種別
- MONO
- 製盤国
- GB(イギリス)盤
ORANGE WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組 ( 170g ), Stamper 1LR/2LR。
優秀録音、コレクションアイテム Decca ffrr Silver inner-groove
英国 DECCA ffrr 録音LP、LXT ナンバーのオリジナル。
58年頃までのプレスで、オレンジ地に銀文字の『内溝』タイプ。耳マークがあります。音場型のステレオ盤に比べてモノラルは音像型。総じてモノラル盤の音質はステレオ盤より中低音域が厚く、コシがあるので同じ演奏のステレオ盤より明らかに好ましいものも少なくない良い音です。また、こうしたモノラル盤は単にモノーラルになっているだけではなく、ステレオ盤とは別にセッション録音したのがあります。
モノーラル盤はステレオ盤より力感があり、そこはブルーノートのモノラル盤と共通していますが奥行きでオーケストラの存在感を出している点で、わたしはオレンジラベル盤が好きです。
英国 DECCA ffrr 録音LP、LXT ナンバーのオリジナル。
58年頃までのプレスで、オレンジ地に銀文字の『内溝』タイプ。耳マークがあります。音場型のステレオ盤に比べてモノラルは音像型。総じてモノラル盤の音質はステレオ盤より中低音域が厚く、コシがあるので同じ演奏のステレオ盤より明らかに好ましいものも少なくない良い音です。また、こうしたモノラル盤は単にモノーラルになっているだけではなく、ステレオ盤とは別にセッション録音したのがあります。
モノーラル盤はステレオ盤より力感があり、そこはブルーノートのモノラル盤と共通していますが奥行きでオーケストラの存在感を出している点で、わたしはオレンジラベル盤が好きです。
2025-04-25
2025-04-24
2025-04-23
2025-04-22
2025-04-21
2025-04-20
イメージから程遠くドラマティック過ぎる◉フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル◯ベートーヴェン・交響曲6番「田園」
弦楽器の美しいウィーン・フィルの特質が活き、
十分に歌わせ柔らかく艶やかな音色が
音楽に寄り添って、かつての田園風景に誘います。
フルトヴェングラーの録音のなかでは
音の彫りが深く、ヌケが良く
ウィーン・フィルの弦楽、木管、ホルン等が美しく聴こえます。
十分に歌わせ柔らかく艶やかな音色が
音楽に寄り添って、かつての田園風景に誘います。
フルトヴェングラーの録音のなかでは
音の彫りが深く、ヌケが良く
ウィーン・フィルの弦楽、木管、ホルン等が美しく聴こえます。
そこがフルトヴェングラーの悪い癖、いや、超スローテンポが次第に加速していく意思的な表現になっているところがフルトヴェングラーらしい。
ピリオド楽器演奏や、ベートーヴェン時代の音楽習慣が研究されて、それを反映した現代の演奏に慣れきると、巨大なスケールに驚かされる。この曲の持つ一般的イメージからはほど遠い・深刻かつ重い表現です。極めて遅いテンポで、じっくりと始まって徐々に巨大に高揚していく。特に第1楽章と第2楽章は異様に思えるほどにテンポが遅い表現で、一部評論家からはフルトヴェングラーの「田園」はドラマティック過ぎるという評が昔出ていたほどだが、それも頷ける。しかし、音楽が停滞したりもたれると感じることは全く有りません。
先輩格のニキッシュから習得したという指揮棒の動きによっていかにオーケストラの響きや音色が変わるかという明確な確信の元、自分の理想の響きをオーケストラから引き出すことに成功していったフルトヴェングラーは、次第にそのデモーニッシュな表現が聴衆を圧倒する。当然、彼の指揮するオペラや協奏曲もあたかも一大交響曲の様であることや、テンポが大きく変動することを疑問に思う聴衆もいたが、所詮、こうした指揮法はフルトヴェングラーの長所、特徴の裏返しみたいなもので一般的な凡庸指揮者とカテゴリーを異にするフルトヴェングラーのキャラクタとして不動のものとなっている。
全く機械的ではない指揮振りからも推測されるように、楽曲のテンポの緩急が他の指揮者に比べて非常に多いと感じます。しかし移り変わりがスムーズなため我々聴き手は否応なくその音楽の波に揺さぶられてしまうのである。
フルトヴェングラーはブラームスを評して「非常に客観的な音楽家」といい、「音楽における客観とは、音楽と精神、精神と音楽が結び付いてひとつになった時に起こるのである」といっています。この偉大な指揮者はブラームスの音楽は彼の哲学そのものであると喝破したのです。それは、そのままベートーヴェンにも当てはまり。それがドイツの交響曲に対する彼の表現方法なのだろう。
ここでは弦楽器の美しいウィーン・フィルの特質が活き、十分に歌わせ柔らかく艶やかな音色が音楽に寄り添って、かつての田園風景に誘います。超スローテンポで始まる前半。第2楽章が特に遅い。一方、第5楽章は次第に少しずつ速くなっていってしまう。しかし、それはテンポを支える内容の濃さを持っている事にほかならない。
フルトヴェングラーの音楽を讃えて、「音楽の二元論についての非常に明確な観念が彼にはあった。感情的な関与を抑制しなくても、構造をあきらかにしてみせることができた。彼の演奏は、明晰とはなにか硬直したことであるはずだと思っている人がきくと、はじめは明晰に造形されていないように感じる。推移の達人であるフルトヴェングラーは逆に、弦の主題をそれとわからぬぐらい遅らせて強調するとか、すべてが展開を経験したのだから、再現部は提示部とまったく変えて形造るというような、だれもしないことをする。彼の演奏には全体の関連から断ち切られた部分はなく、すべてが有機的に感じられる。」とバレンボイムの言葉を確信しました。これが没後半世紀を経て今尚、エンスーなファンが存在する所以でしょう。
ヴィンテージレコードの楽しみフルトヴェングラーだけが成し得た、人間感情の吐露が神々しさと凌ぎ合っているところに魅力を覚えるのです。
《エレクトローラ・ブライトクランクシリーズ盤》JP 東芝音楽工業(赤盤) AA7239 フルトヴェングラー/ウィーンフィル ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」戦後のスタジオ録音でフルトヴェングラーの録音の中では音が良い。 ― 一概にフルトヴェングラーの音が悪いというのは、演奏された響きに対して録音の響きが浅いのだ。 ― フルトヴェングラーの EMI 録音のなかでは音の彫りが深く、ヌケが良くウィーン・フィルの弦楽、木管、ホルン等が美しく聴こえます。フルトヴェングラーの音に悩まずに済むレコードです。スタジオ録音。
プロダクト
- レコード番号
- AA7239
- 作曲家
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
- オーケストラ
- ウィーン・フィハーモニー管弦楽団
- 指揮者
- ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
- 録音種別
- STEREO
- 製盤国
- JP(日本)盤
1952年録音。
エレクトローラ・ブライトクランクシリーズ
20世紀を代表する巨匠、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886~1954)の録音は、すべてステレオLPが開発される1958年以前のもので、商業録音に関してはモノラル録音しか残されませんでした。1960年代にステレオLPが全盛期を迎えたとき、フルトヴェングラーの音源を所有する各レコード会社は、彼のモノラル録音のステレオ化を試みました。中央に集中するモノラルの音像を電気的に処理し、今日でいうサラウンドのような拡がりをもたせたものでした。EMI系の音源は、巨匠没後10年の1964年にドイツ・エレクトローラ社が「ブライト・クランク」と名付けた方式でステレオ化しました。このようなステレオを本来のステレオを区別するために「疑似ステレオ」と呼んでいます。
フルトヴェングラーの主要な録音はドイツ・エレクトローラ社のブライト・クランクによって疑似ステレオ化され、特にLP時代は広く普及していました。
カラヤンのように録音が大好きで、新しい技術に目がなく、貪欲だった指揮者と自身の録音をモニタールームで聴いていて、みるみるうちに機嫌が悪くなったという指揮者とは録音に向かう意識は全く違うとの市井の声はありますが、〝バイロイトの第9〟をきっかけにシフトを切り替えた、1953,54年のザルツブルク音楽祭ではフルトヴェングラー自身の提案によって、ステージ左右にセットされた3本ずつのマイクを通じて2チャンネルで収録されていた。マスターテープのスピードは76cm/秒(2トラック)で、録音エンジニアは巨匠の娘婿にあたるアルフレッド・クンツである。その「実験的」ステレオ録音は複数のテープレコーダーで録音された2チャンネル・レコーディング=ステレオ録音です。それら続々と実現していれば、この「ブライト・クランク」は実現しなかったか。ところがこの年、肺炎により死去。商業録音でフルトヴェングラーのステレオ録音は未到達に終わりました。
解説書で詳細に説明していますが「音の指向性」という特徴づけられている「疑似ステレオ」とは範疇を異にするものと定義しています。確かに自然なフルベンのステレオ音刻まれています。
フルトヴェングラーがEMI(HMV)に残した主要録音は1960年代に疑似ステレオ化されましたが、その中でも最も出来が良いと言われたのがベートーヴェンの交響曲第1番と第6番「田園」です。このふっくらと広がりのある再生音は、ウィーン・フィルの艶やかな音色と、ムジークフェラインザールの優れた響きにぴったりで、オリジナルのモノーラルとは異なった魅力で味わえます。
フルトヴェングラーの主要な録音はドイツ・エレクトローラ社のブライト・クランクによって疑似ステレオ化され、特にLP時代は広く普及していました。
カラヤンのように録音が大好きで、新しい技術に目がなく、貪欲だった指揮者と自身の録音をモニタールームで聴いていて、みるみるうちに機嫌が悪くなったという指揮者とは録音に向かう意識は全く違うとの市井の声はありますが、〝バイロイトの第9〟をきっかけにシフトを切り替えた、1953,54年のザルツブルク音楽祭ではフルトヴェングラー自身の提案によって、ステージ左右にセットされた3本ずつのマイクを通じて2チャンネルで収録されていた。マスターテープのスピードは76cm/秒(2トラック)で、録音エンジニアは巨匠の娘婿にあたるアルフレッド・クンツである。その「実験的」ステレオ録音は複数のテープレコーダーで録音された2チャンネル・レコーディング=ステレオ録音です。それら続々と実現していれば、この「ブライト・クランク」は実現しなかったか。ところがこの年、肺炎により死去。商業録音でフルトヴェングラーのステレオ録音は未到達に終わりました。
解説書で詳細に説明していますが「音の指向性」という特徴づけられている「疑似ステレオ」とは範疇を異にするものと定義しています。確かに自然なフルベンのステレオ音刻まれています。
フルトヴェングラーがEMI(HMV)に残した主要録音は1960年代に疑似ステレオ化されましたが、その中でも最も出来が良いと言われたのがベートーヴェンの交響曲第1番と第6番「田園」です。このふっくらと広がりのある再生音は、ウィーン・フィルの艶やかな音色と、ムジークフェラインザールの優れた響きにぴったりで、オリジナルのモノーラルとは異なった魅力で味わえます。
東芝音楽工業謹製「エレクトローラ・ブライトクランク」ステレオ盤, STEREO 1枚組(170g)重量盤, ドイツ・エレクトローラ同一スタンパー 2ZVH 使用盤。1970年以降製造中止「赤盤」。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、つねにトスカニーニ、ワルターと並称される20世紀最大の巨匠であるが、その役割は、ただ指揮者として偉大であったというばかりでなく、唯物的感覚的な今日の音楽認識世界のなかで、正統的ロマン主義を意義づけ、音楽の思弁的有機的意味を復活した、というような点でも歴史的存在なのである。
フルトヴェングラー年譜
- 1886年(明治19) 0歳
- 1月25日、ベルリンにて誕生。父は高名な考古学者アドルフ・フルトヴェングラー(1853~1907)。
- 1906年(明治39) 20歳
- 2月19日、カイム管弦楽団(現在のミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)を指揮してデビュー。ベートーヴェンの“献堂式”序曲とブルックナーの交響曲第9番を演奏。
- 1922年(大正11) 36歳
- 1月23日に急逝したアルトゥール・ニキシュ(1855~1922)の後任として、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1928年まで)およびベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任。
- 1926年(大正15) 40歳
- 10月16日、初録音。曲目はウェーバーの歌劇“魔弾の射手”序曲。
- 1927年(昭和2) 41歳
- フェリックス・ワインガルトナー(1863~1942)の後継としてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任(1930年まで)。
- 1933年(昭和8) 47歳
- 9月15日、プロイセン枢密顧問官に就任。11月15日には帝国音楽院副総裁に就任。
- 1934年(昭和9) 48歳
- 11月25日、ドイッチェ・アルゲマイネ・ツァイトゥンク日曜版に「ヒンデミット事件」と題した論文を投稿。ヒンデミットの歌劇“画家マチス”を上演禁止したナチスと対立。12月5日、プロイセン枢密顧問官および帝国音楽院副総裁を辞任。1935年3月に両者和解し、指揮台に復帰する。
- 1937年(昭和12) 51歳
- 10月8日と11月3日、戦前最高の名盤と謳われたベートーヴェンの交響曲第5番を録音。
- 1942年(昭和17) 56歳
- 4月19日、ヒトラー生誕前夜祭でベートーヴェンの交響曲第9番を指揮。
- 1944年(昭和19) 58歳
- 12月、戦災に苦しむ同胞のためウィーン、ムジークフェラインザールにてベートーヴェンの交響曲第3番“英雄(エロイカ)”を放送用に録音。1953年にアメリカ、ウラニア社がレコード化し「ウラニアのエロイカ」として有名な録音となる。
- 1945年(昭和20) 59歳
- 1月28日、ウィーン・フィル定期演奏会へ戦前の最後の出演。1月30日にウィーンを発ちスイスへ亡命。第2次大戦終結後、連合軍から戦時中のナチ協力を疑われ、演奏禁止処分を受ける。
- 1947年(昭和22) 61歳
- 5月25日、「非ナチ化」裁判の無罪判決をうけ、戦後初めてベルリン・フィルの指揮台に立つ。曲目はベートーヴェンの交響曲第5番“運命”、同第6番“田園”ほか。
- 1948年(昭和23) 62歳
- 10月24日、ベルリンでブラームスの交響曲第4番を指揮。実況録音が巨匠没後の1959年にLP化され、同曲最高の名演の一つと言われるようになる。
- 1951年(昭和26) 65歳
- 7月29日、バイロイト音楽祭再開記念演奏会でベートーヴェンの交響曲第9番を指揮(7月29日)。このときの録音は彼の没後にLP発売され「バイロイトの第9」として有名になる。
- 1952年(昭和27) 66歳
- 11月26、27日、EMIへベートーヴェンの交響曲第3番“英雄”をセッション録音。同曲録音集、また巨匠のセッション録音中でも屈指の名盤との評価を得る。
- 1953年(昭和28) 67歳
- 5月14日、DGへシューマンの交響曲第4番をセッション録音。巨匠の最も優れたレコーディングとして知られるもので、音楽之友社刊『新編名曲名盤300』でもこの曲のベスト・ワンとして推されている名盤。
- 1954年(昭和29) 68歳
- 11月30日、ドイツ、バーデン=バーデンにて肺炎により死去。
2025-04-19
おてもやんブログのブログ「アナログレコードの魅力✪昭和の名盤レコードコンサートでご体験ください」が総合ブログランキング5位になりました!
2025-04-19
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