バードのおおらかな翼の中で卵からかえったマイルス・デイヴィスは、『鳶が鷹を生んだ』と言う言葉に似合うかと思うけれども、このバードという鳶はとても優秀な育ての親だったのでしょうね。ホトトギスはうぐいすの巣に卵を産み付けて、温めさせる。成長して一番最初に卵からかえるのがホトトギスの雛。
もしも、うぐいすの雛が先に卵からかえっていたら親のうぐいすだって「乱入者だ」って攻撃するのかも知れない。どうなのだろう。必ず、うぐいすの雛より先に卵から孵るように仕組まれているのかしら。
さて、わたしは家の歴史や、親の商いが違っていたら今の仕事はしているのだろうか?少なくとも親の意識が同じであるのならば、今の生き方を導いてくれた人たちとの出逢いはあるんじゃないかしらね。全く同じとは行かなくても、類似した人生を進んでいるのではないかしら。
マイルス・デイヴィス、23歳。
19歳で、バードのもとで演奏、録音を開始して4年後の1949年。戦争での物資不足も落ち着いて、クラシック音楽だけではなくてジャズのレコードがいよいよ現在の12インチの形で発売されることが標準化されようとする時、大手レコード会社からマイルス・デイビスは『クールの誕生』で本格的なソロ・デビューしました。