音の一つ一つがとても幻想的で美しくて、バラッドという情感が良く感じられるツィメルマンの「ショパン作曲 バラード 全4曲」。
舟唄嬰ヘ長調Op.60,と幻想曲ヘ短調Op.49がデザートというか、陰影の深いバラード集とのバランスはこの上ないプログラムで多くの録音もこれに子守歌を加えているかいないかぐらい。
CDの収録時間には余白がもったいないと感じるのは、数値主義というものでコストパフォーマンスが良いからって「スケルツォ集」を詰め込んでいないところが気に入っている理由の1つでもあるのです。
エントリーの書き出しがその感想。ありがちな表現で恥ずかしいけれども他に表現のしようがないものってありませんか。多くの装飾語を飾ってみても、どれも納得できないという感じです。
1831年、パリに滞在中に書き始めたショパンの代表的な1曲。きっと色々と語りたい事があったんじゃないかしら。
シューマンが書いているように後々の名曲ほどに独創的で、クラシック音楽史を革新に導くような曲ではないけれども舟唄やワルツの要素が詰まっているように感じます。ピアノ協奏曲が青年期に決着をつけた曲だと喩えるならば、独り立ちの不安や、夢、希望、そして愛への渇望が「バラード第1番」に芽生えているものと思います。バラードの全4曲中、1番、3番、4番が好きです。zimerman:Chopin Ballade No.1
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