2011年5月7日土曜日

NHK-FMで第1700回NHK交響楽団定期公演を生中継。“頑張れ”コールのような《交響曲第1番》と己を奮起させる《英雄の生涯》をプログラム。

2011年5月7日土曜日

未曾有の出来事はこれまでにも幾度と受けてきた日本。カタストロフがあってこそ平和を祈ることが出来るのかも知れません。9.11でアメリカ国民が抱いた思いは、地震以上に大津波への恐怖、そして原子力発電所の不安として日米共感できるところでしょう。日本とアメリカの戦争から復興を頑張るためにエールを込めて作曲され初演された尾高尚忠氏の《交響曲第1番》。尾高賞があるように、クラシックファンには尾高作品を誇りと思って欲しい。

 

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リヒャルト・シュトラウスの《英雄の生涯》は、晩年に人生を回顧しながら作曲されたのではなくて、30歳代の駆け出し作曲家が自分の将来を展望した大傑作。

NHK-FMで2011年5月7日、午後6時から生中継。

- 第1700回NHK交響楽団定期公演 -        

「交響曲 第1番 作品35」         尾高尚忠・作曲
「交響詩“英雄の生涯”作品40」リヒャルト・シュトラウス作曲
(管弦楽)NHK交響楽団
(指揮)尾高忠明
~NHKホールから中継~

 

尾高忠明による父・尚忠(ひさただ)の《交響曲第1番》
NHK交響楽団正指揮者であり、新国立劇場オペラ部門芸術監督や札幌交響楽団音楽監督も兼務する尾高忠明が登場。Aプロでは、尾高の父親であり、N響の前身である日本交響楽団の専任指揮者であった(そして、尾高賞に名前を残す)尾高尚忠の《交響曲第1番》と、尾高が得意とするR.シュトラウス作品から《交響詩「英雄の生涯」》が演奏される。
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尾高尚忠の《交響曲第1番》は、1楽章のみの作品と思われてきたが、近年その第2楽章の楽譜が発見され、2006年9月に外山雄三がN響定期公演で世界初演して話題となった。今回も第2楽章を含めて演奏される。尾高尚忠は今年が生誕100周年(及び没後60周年)。若き日にウィーンで学んだ彼は後期ロマン派風の作品を残した。この交響曲の第2楽章もロマンチックなアダージョ。
自身もウィーンに留学した尾高忠明の本領はR.シュトラウスにあるのかもしれない。昨年1月のN響定期公演での《「ばらの騎士」組曲》が好評を博し、今年10月には新国立劇場で《サロメ》を指揮する。管弦楽法の粋を尽くした傑作《英雄の生涯》が楽しみだ。

尾高の十八番、イギリス音楽で名演を期待
Cプロは、尾高の十八番ともいえるイギリス音楽。特にエルガーの交響曲は、2008年5月に《第1番》で、2009年5月に《第2番》で、名演を繰り広げた尾高&N響のコンビだけに、《第3番》も期待できる。実は《交響曲第3番》は未完の作品で、エルガーはスケッチを残したまま、世を去ってしまっていた。そして20世紀末、イギリスの作曲家アンソニー・ペインがBBCから、その断片を組み立てて補筆してほしいと依頼される。1998年2月にアンドルー・デーヴィス&BBC交響楽団がペインによる補筆完成を初演した。エルガーの創作部分が少なく、ペインの補筆が大きな部分を占めるだけに、もちろん賛否はあるが、アンドルー・デーヴィスのほか、コリン・デーヴィス、リチャード・ヒコックスらのイギリスの名匠らがCD録音するなど、作品を評価する指揮者は少なくない。尾高忠明も札幌交響楽団と2007年にCD録音を残している。
Cプロの前半には20世紀イギリスの代表的な作曲家の一人であるウォルトンの《チェロ協奏曲》が演奏される。独奏はイギリス出身の名手、スティーヴン・イッサーリス。尾高とは長年の信頼関係にあり、何度も共演を重ねている。偉大なチェリスト、グレゴール・ピアティゴルスキーのために書かれた協奏曲で、イッサーリスと尾高との素晴らしいコラボレーションが聴けることだろう。

ロシアの新しい世代の実力派が登場
nkyo2_201105.jpgBプロには、ロシアの新しい世代の実力派、アレクサンドル・ヴェデルニコフが登場する。1964年生まれ。2001年、ボリショイ劇場の音楽監督に就任。2009年6月のボリショイ劇場日本公演での《エフゲーニ・オネーギン》の名演は記憶に新しい。その後、ボリショイ劇場の音楽監督を退任し、現在、デンマークのオーデンセ交響楽団の首席指揮者を務めている。N響との出会いは、予定されていた指揮者の健康上の理由によるキャンセルのため、急遽来日し、代役を務めた2009年3月のN響オーチャード定期。プログラムを変更することなく、マーラーの《交響曲第1番「巨人」》などを指揮。短いリハーサルにもかかわらず、演奏会を成功に導き、オーケストラの信頼を獲得した。今回は、ヴェデルニコフが最も得意とするロシア音楽。ラフマニノフが最晩年に書いた《交響的舞曲》は、1941年にユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団が初演した、交響曲以上の充実した作品だ。チャイコフスキーの《ピアノ協奏曲第2番》は、《第1番》に比べ演奏機会が少ないが、隠れた名曲といえよう。独奏は、1979年、旧ユーゴスラヴィアのマケドニア生まれのシモン・トルプチェスキ。2001年、ウィグモア・ホールでのロンドン・デビュー・リサイタル以来、国際的に注目されている。チャイコフスキーの《第2番》では、ピアノのソロだけでなく、ヴァイオリンやチェロのソロにも注目したい。

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