強い思い込みというものが年代ではあるものです。未だに「グラムフォン」と書いているのを見かける時、大方が年配のレコード愛好家でしょう。
日本では戦前からポリドールが発売。アメリカでは米DECCAから発売されていたものもあったようです。が、もとをたどれば大手レコード会社のスタート地点から存在する伝統あるレコード・レーベルです。
グラモフォンと言えば、トーマス・エジソンが発明した蓄音機に思いが及ぶ方もいるでしょう。
昨年創立から111年目を迎えました。スタートは英国の小さな書店が起こしたクラシック専門のレコード・レーベル。英国を出発点にして、オーストリア、ドイツ、フランスに発展したものの戦争によって組織が分裂。ドイツに拠点を置いていた組織がドイツという名前をつけて、ドイツグラモフォンとして現在に至ると考えると分かり易いでしょう。
黄色いラベルにチューリップのロゴ。CDの時代になって、LPのデザインをそのままCDサイズに小さくするわけにはいかないと主張するデザイナーサイドとの1番の課題となったようで、額縁をとることでチューリップのロゴは残っています。
写真はブルーのラインの縁取りがあるもので、わたしたちはブルー・リング・ラベルと英国式に呼んでいるのですけれども、ブルー・ライン・ラベルという表現もあるようです。日本で発売されていたレコードもこのデザインが最もなじみのあるものでしょう。ほぼ全世界共通になってからのデザインだと思います。
これ以前にラージ・チューリップ・ラベルというものが、1960年代のレコードにはあって盤も重量感であって音質は優秀。英国プレス、ドイツプレス、オーストリアプレスの違いがハッキリ分かるので音質の違いが楽しめます。カール・ベームのブラームスは、ジャケットはドイツ製でもレコード盤は英国製というケースもありました。
写真はポリーニのデビュー盤となったシューマンの《幻想曲》のレーベルで、1973年の初出盤。録音からカッティングまでが真空管からトランジスタに変わって、装置を選ばないで安定した鑑賞ができるようになりました。ブルー・リング・ラベルに変わった時代はそういう背景があります。
さて、今日。これを取り上げたのは、Flickrに公開しているこの写真に DEUTSCHE GRAMMOPHON ( http://www.flickr.com/groups/1450066@N23/ )グループからの招待があったからです。
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