2010-05-05

脚本に関係なく脱がしたりする事もあるので下着も気を使うのは、当たり前です。

2010-05-05
叫び声を上げるお金持ちの婦人の大きな口のズームで、映画「泥棒成金」は始まる。原題は「 To Catch a Thief 」、その泥棒を捕まえてって言う呼びかけです。
今年が没後30年になるアルフレッド・ヒッチコックの映画で、先週から NHK Bs-hi で連続放映しています。
40分過ぎの黒い水着、1時間過ぎての窓の外の花火で室内がグリーン・・・いや、エメラルド色の中での白いドレスは印象的。灯りを消した部屋で黒いタキシードのケーリー・グラントとのキスシーン。ゴージャスな宝石はイミテーションでも、とても綺麗ですねグレース・ケリー。
このキスシーン、当時の映倫が厳しくてキスシーンが長いとクレームがついたので花火だけの映像で2人の感情の盛り上がりを表現したと言いますから、思いがけない良い演出をクレームがあったことで造り出させてくれたものですね。聞きたくない言葉に耳を塞がないで、きちんと向かい合う。キスシーン自体の尺はそのままに、花火と音楽を差し替えることでポジティヴ・シンキング。ネガティヴな人がいるだけにこれはこれで一興。変に切ったり、違う演出にしなかったのは自信のあらわれ。自分のスタイルは変えないのが1番ですね。
ディレクターズカット版として、キスシーンだけの映像を復活させなかったのは良い映像と結果的になったことがヒッチコックも嬉しかったのでしょう。

年配の男性を相手にしていると、「グレース・ケリーに似ているね」と褒め言葉をかけられることがあったので、十代の時からグレース・ケリーの出てくる映画は熱心に観ています。けして「エリザベス・テイラーに似ている」といわれればお世辞としか受け取らないけれども、悪い気持ちはしません。

アメリカで映画フィルムの保存が歌われた時にヒッチコックの全作品がその対象に選ばれていただけに、今日の「泥棒成金」もとても綺麗な映像です。映画が始まって真っ先にそう感じました。そして驚いたのがステレオ音声になっていたことです。1955年の米パラマウントの制作。ちょうどステレオ録音が実用化される頃ですから、音声は疑似ステレオではなくベット収録されていたものからでしょう。音楽もセリフも綺麗。一年しか違わない、映画「ローマの休日」とは違います。ワイド画面にもなっているし1970年代の作品かと思えるほど。

イーディス・ヘッド女史の腕の見せ所という感じで、舞踏会場の入場口となった階段はさながらランウェイ。
みんな美しくて、主役のグレース・ケリーだけでなく下着から総てしつらえてあるものだから映画はゴージャスなんですね。予期せぬ事も備えあれば憂い無し。ぎりぎりで生きているから思い通りにならない時に、気持ちに余裕がなくなるんです。

クロマキーだと思うけど、映画の中で車を暴走させるシーンは、観ていてなんだかドキドキしました。
とてもスリリングでゴージャス、そしてロマンティックな映画。「シャレード」以上かも知れません。タイトルから見のがさないようにしましょう。

第38作目 泥棒成金(To Catch a Thief) (1955)

(アメリカ) パラマウント映画製作/日本公開1955年・再公開1965年(パラマウント映画)/テクニカラー・ヴィスタビジョン/106 min.



■製作・監督:アルフレッド・ヒッチコック ■第二班監督:ハーバート・コールマン ■原作:デヴィット・ドッジ ■脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ ■撮影:ロバート・パークス ■色彩監督:リチャード・ミューラー ■音楽:リン・マーレイ ■編集:ジョージ・トマシーニ ■衣装:イディス・ヘッド

■出演:ケーリー・グラント、グレース・ケリー、シャルル・ヴァネル

ヒッチコック初のヴィスタビジョン・サイズ作品で、南フランス、リヴィエラで起こる宝石泥棒の話だが、ケーリー・グラントのソフィスティケイトな演技は素晴らしい!グレース・ケリーの美しさ、花火をバックのラヴシーンは絶品!長年、ヒッチコックの撮影監督のロバート・パークスはこの作品でアカデミー賞・撮影賞(カラー)がおくられた。1960年代はレコードも録音するものには、商業的な決まり事がありました。それはお互いのレコード会社のビジネスを妨げないために、同じ曲を録音してレコードとして発売する時に半年の間は同じ曲は発売しないという取り決めでした。
同じようにアメリカは映画ギルドがありました、ビリー・ワイルダーは、ケーリー・グラントを使いたかったのにヒッチコックに先を越されて口惜しかったことでしょうね。

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