2010-09-12

バスチーユの“ワルキューレの奇行”

2010-09-12 0
タンホイザーでの全裸の女性たち(薄いストッキングで首までを覆ったもののようでもありましたが、総て透けて見えていました。薄暗い舞台の照明でははっきりとは分からないものでした)に驚いたのが初めてオペラをみるようになった頃。
昨年のマイスタージンガーでは男性が下半身露出していましたね。

バスチーユのワルキューレでは、ワルキューレ達は乙女と言うことでの白い衣装で統一。第3幕の傷ついた戦士達の中からワルハラに連れて行くのにふさわしい英雄だけを選りだしている場面では、白衣のようにも見えます。
多分にダブル・ミーニングがあるのでしょう。


バスチーユの“ワルキューレの奇行”と標題にしたい“ワルキューレの騎行”。
音楽だけでなくステージも色彩的だったようで、テレビ放映をぜひとも観て観たいものですが、起ってるものはモザイクが入るんでしょうね。
オペラはストレートに見せていることが多いのですが、パリでの公演は中でもストレート。

バスチーユのワルキューレ

バスチーユのワルキューレが、今(2010年9月12日)NHK-FMで放送中です。
第一幕では、ジークムントを歌うロバート・ディーン・スミス、ジークリンデを歌うリカルダ・メルベトの2人共に好調。バイロイト音楽祭での上演でのお馴染みのコンビだけに歌唱は安心して聴けます。
指揮はアルミン・ジョルダンの息子。父親譲りを感じさせるほどフランス流のワグナーと言ったら他を凌いでいますよね。一言で言って色彩的でメリハリのある音楽。ワーグナーになじみのないリスナーでも入りやすい音楽造りをしています。
ジョルダンは第一幕冒頭の嵐のシーンは烈しく速いテンポで責め立てるように進めていて、歌手達の登場を今か今かと待ち焦がれているような演奏でした。主役の2人が登場すると、烈しく早い前奏曲は一転。とてもロマンティックなチェロの独奏で歌手達の歌を引き立てていました。
見せ場、父親が残した一振りの名剣ノートゥングを手に入れたくだりは感情の高まりに従った烈しい音楽。ロバート・ディーン・スミスはバイロイトでも、ヴェルゼ!ヴェルゼ!と2度の父親への呼びかけをとても長く引っ張りますが、この上演でも同様で尚のこと第一幕の要になっているロマンティックなワーグナーでした。

現在第2幕が終わったところ、有名な「ワルキューレの騎行」のある第3幕は午後4時半過ぎ当たりからになると思います。放送は午後6時まで。

バスチーユのワルキューレ 2010 paris
- 海外オペラアワー -

▽フィリップ・ジョルダン指揮による
ワーグナーの楽劇“ワルキューレ” 

「楽劇“ワルキューレ”」           ワーグナー作曲
(第1幕:1時間04分52秒)
(第2幕:1時間33分46秒)
(第3幕:1時間09分48秒)
ジークムント…(テノール)ロバート・ディーン・スミス
フンディング…(バス)ギュンター・グロイスベック
ウォータン…(バリトン)トーマス・ヨハネス・マイア
ジークリンデ…(ソプラノ)リカルダ・メルベト
フリッカ…(メゾ・ソプラノ)イヴォンヌ・ナエフ
ブリュンヒルデ…(ソプラノ)カタリーナ・ダライマン
ゲルヒルデ…(ソプラノ)マージョリー・オーウェンズ
オルトリンデ…(ソプラノ)ゲルトルート・ヴィッティンガー
ワルトラウテ…(メゾ・ソプラノ)シルヴィア・ハブローヴェッツ
シュヴェルトライテ…(アルト)ヴィープケ・レームクール
ヘルムヴィーゲ…(ソプラノ)バルバラ・モリーヤン
ジークルーネ…(メゾ・ソプラノ)ヘレーネ・ラナーダ
グリムゲルデ…(メゾ・ソプラノ)ニコル・ピッコローミニ
ロスワイセ…(メゾ・ソプラノ)アタラ・シェック
(管弦楽)パリ・オペラ座管弦楽団
(指揮)フィリップ・ジョルダン
~フランス・パリ・バスチーユ パリ・オペラ座で収録~  
<2010/6/26>
(ラジオ・フランス提供)

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