2010-05-26

「アンヌぼくはウルトラセブンなんだ」

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ウルトラセブンの最終回、モロボシ・ダンがアンヌ隊員に告白するシーンはとても印象的。毎回新鮮な試みを重ねてきた子ども向けの特撮ヒーロー番組の、最後に来てタブーぎりぎりの衝撃を残して投げ逃げという感じですね。わたしは男と女のラブ・シーンとして、好きな1幕です。

昨年BS11で全話再放映された時にキチンと観ることが出来たんですけど、意外とあっさりとしていて幼いことに観た時は永遠のシーンのような記憶でした。もう少し長い時間「ピアノ協奏曲」が使われていたように錯覚していました。

ただ、長くても1分から2分の使用なのですけれどウルトラセブンのオリジナル曲と交互に使用されていて最後はオリジナルのメロディーで締めくくられています。

ウルトラセブンの最終回で印象的なイントロを使用されているクラシック曲は、シューマン作曲 ピアノ協奏曲 イ短調。これの第1楽章。15分ほど音楽をとても適切に抜粋されていました。最終回を想定した上でシリーズを用意することは作品を印象深くさせることが出来るようです。ゴルゴ13の最終回は、最初の頃に完成していて金庫に納められているそうですね、ウルトラセブンも告白のラストシーンは最初から決められていたのかも知れない。

当初から予定の話数だったのか、作曲が間に合わなかったのかは分からないけれども作曲の冬木透さんに「シューマンのピアノ協奏曲」のような音楽をと頼まれたとか、そのような裏話。聞いたことがあります。

製作予算の都合もあって実際に「シューマンのピアノ協奏曲」のような音楽は録音されることもなかった。そして、スタッフが持っていたレコードが使用されています。当時リパッティとカラヤンの取り合わせで録音したレコードとして世界中で良く売れたレコードがそれでした。

ウルトラセブンの告白シーンの衝撃に、たったの1音で効果を上げた演奏で感じられる通りにまもなく若くして亡くなるリパッティの命を削る1音1音を若きカラヤンが見事にサポートしています。録音はモノーラルながら、中古盤の市場回転率は良くて枚数が多く現存していますから音質の状態が良いレコードが多いことはうれしいものです。

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新世界から

チャイコン、メンコン、ドヴォコン。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザークのチェロ協奏曲をさすクラシック愛好家と言うよりも、レコード芸術誌などが日常的に使うので、読者層が使い始めてレコードショップ。そして日常化されてきたものです。
チャイコフスキーにはピアノ協奏曲第1番はとても有名。メンデルスゾーンにはもう1曲のヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲だって人気曲です。でも三大ヴァイオリン協奏曲として、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、チャイコフスキーは有名。ドイツ三大ヴァイオリン協奏曲と言う時は、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスとなります。

チャイコのバイ協と縮めないで、チャイコン。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、チャイコのピーコンと呼ぶのが通例。ピーコンとは P-con あるいは pf-con と記号的略式表記されるからです。もちろん、日本固有の使い方。

ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、これにブルッフを加えるのか、ラロなのか、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲なのかは、人それぞれなのですけれどもシベリウスのヴァイオリン協奏曲は間違いなく六大ヴァイオリン協奏曲に欠けるものではありません。

ドヴォルザークの音楽は、無性に聴きたくなることがあるのですけれども、わたしとしては秋がふさわしい音楽家。ほとんどこの季節から夏には聴く事はありません。例外はチェロ協奏曲などでしょうか。
という事で「新世界」交響曲も、今の季節は食指が動かないので昨日の夜放送されたBBC交響楽団演奏会の後半プログラムには気持ちが動きませんでした。悪い演奏だったという事ではないのです。秋に聴けば適切な感想が言えそうだと言うことです。

このドヴォルザークの交響曲。第9番「新世界より」というのが正しい。なのに「新世界シンフォニー」とニックネームで呼ばれるのか。それはこの交響曲はLPレコードがステレオ録音になる頃までは「第5番」だったからです。平原綾香さんの「新世界から」でも親しまれている第2楽章には「家路」という愛称があるほど、親しまれているわけで第何番と言われてもしっくりするものではなかったことでしょう。
近年ではシューベルトの交響曲での混乱ぶりも、「未完成」交響曲、「グレート」交響曲と言えば誰も間違わないのですから第7番、8番、9番をレコード会社でも間違わない補足表記をして欲しいものです。

  
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