2010-03-27

生徒会の一存 #6 「差し伸べる生徒会」に登場したクラシック音楽

2010-03-27
生徒会の一存 #6 「差し伸べる生徒会」に使用されたクラシック名曲。
グリーグ作曲 組曲《ホルベアの時代から 序曲:アレグロ・ヴィヴァーチェ》
メンデルスゾーン作曲 《夏の夜の夢》から 結婚行進曲

ホルベアとは「デンマーク文学の父」とも「北欧のモリエール」とも呼ばれる文学者ルズヴィ・ホルベア(Ludvig Holberg, 1684年 - 1754年)のこと、生誕200周年となる1884年にホルベアの生誕地ベルゲンで記念祭が行なわれることになった時に、この同郷の先人を記念する祝祭のためにグリーグは《無伴奏男声合唱のためのカンタータ》と、《ピアノ独奏のための組曲『ホルベアの時代から』》を作曲しました。
カンタータは同年12月3日(ホルベアの誕生日)に初演され、『ホルベアの時代から』は12月7日にグリーグ自身のピアノで初演、翌1885年にグリーグ自身によって弦楽合奏のために編曲されたが、弦楽合奏版《ホルベルク組曲》で聞きつけたあとで原曲のピアノ演奏を聞くと戸惑った覚えがあるほど印象があまりにも異なるほど。編曲と言うより同じ素材を使った、それぞれの楽器のための別の曲と見て良いと思います。ピアノ原曲より、弦楽合奏版の方で有名です。

「ホルベアの同時代人だった、フランスのクラヴサン奏者達の組曲をモデルにさせてもらった」とグリーグが語っていた通り、この作品はホルベアが生きていた時代のバロック音楽の様式を借りて書かれています。田部京子さんの優れた演奏があるように、ピアノ演奏でも面白く楽しめます。わくわく生き生きとした感じは弦楽合奏版で味あうのが楽しいです。対して情感のこもる楽章ではピアノでの演奏に武があると思います。

けして比較できないもの。弦楽合奏を伴奏にしたピアノ協奏曲版にアレンジした演奏を聴きたくもあるけど、クラヴサンでの演奏も聴いてみたい。アンジェラ・ヒューイットさんがクープランをピアノで演奏したものは楽しかった。《ホルベアの時代から》をチェンバロで演奏したら、新しい一面を聴けるかも知れません。昔のことを懐かしんでいるようで、民族の未来に想いを馳せているような《ホルベルク組曲》が遠い記憶の向こうから聞こえてくるようなクープランに似た響きになるのでしょうか。

《ホルベアの時代》をピアノで演奏した優れた録音は、北欧のピアニストが多い。ロシアにゆかりのある演奏家が多いことにはグリーグが生きた時代の、ノルウェーやデンマーク、それにフィンランドとロシアの関係にまで思いを及ばせるとなんとも不思議な思いがしてなりません。

アウニ・ヌオリワーラの「牧場の少女カトリ」を読み返したくなりました。

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