2009年11月22日日曜日

ちょっとクラシックも聴いてみようかなと言う人には、ソロピアノアルバムだとブラームスをお薦めします。

2009年11月22日日曜日 0
たまには役立つことをつぶやきたいシリーズ。ラスト。ちょっとクラシックも聴いてみようかなという人におすすめのソロピアノアルバム。グレン・グールド「ゴルドベルク変奏曲」
@takk826
一寸クラシックでも聴いてみようかなと思って手に取るには最も危険なのが、グレン・グールドが演奏している「ゴルドベルク変奏曲」のCDです。
初心者に勧めるような評価をされていることが多い一枚で、きっと今年の暮れのタワーレコードなどのクラシックCDのコーナーに並んでいることでしょう。
グレン・グールドの録音を聴いてバッハのゴルドベルク変奏曲を、「はは〜ん」こういう曲なのだねと固定概念を持っただけで終わらせてしまう怖さがある。その前にクラシックのピアノ曲の音をこういうお粗末なものだと思われてしまうと、その先の展開が望めなくなります。
グレン・グールドのバッハ演奏。ピアノでバッハを演奏した録音と、一般のクラシック音楽に親しみが薄い人にはわかりにくい言い回しではありますけれども、この「ピアノでバッハを演奏」することに一石を投じた、バッハ演奏史、レコード録音の歴史の中ではエポックな事ではあるのですけど、クラシック音楽を楽しんでいる愛好家が日頃グールドのことは頭にないことを一般的に理解していて貰いたいものです。
グレン・グールドが最初に「ゴールドベルク変奏曲」でセンセーショナルに登場したのは、モノーラル録音の完成時期。英デッカではステレオ録音がテストケースから実売へと転換した時期で、マーキュリーからは最初のステレオレコードが発売されました。
グレン・グールドはそれまでに、カラヤンやバーンスタインとの共演でライブ演奏のプリンスでした。その日に使うピアノを決める為に会場に五台のグランドピアノを運ばせて、どれを使うのかを決める為に演奏を待たせるという当時の演奏家にはあるまじき、奇行は演奏に共感するしないにかかわらずに、グールドという存在を定着させることになりました。
若いグールドのライヴの演奏はそれこそ評価の高いもので、音質は万全ではないですけどグールドを楽しむにはライヴ時期の録音に関心を持って貰いたいものです。
時代はレコード産業がクローズアップ。米CBSと契約したグールドは、CBSスタジオに入り浸ることになってライブ演奏をキャンセルしてしまいました。グールドはバッハの楽譜から、当時最高の演奏解釈を導き出しました。
その結実が、名盤「ゴルドベルク変奏曲」。ゴールドベルク変奏曲は晩年のバッハがチェンバロの為に作曲しました。グールドの時代にもチェンバロはありましたけれども、モダン・チェンバロといわれるものでグールドはバッハの楽譜通りに演奏できないことから、スタジオワークにその理想を見いだしたのです。
両手10本の指で楽譜通りに再現する為に、何度も同じ箇所を録音してブレンドして完成させました。いわゆるミキシングが生み出した演奏であって、その音はべったりとしていてピアノ録音のふくよかさは、この「ゴールドベルク変奏曲」からは楽しめません。
バッハがこの、ゴールドベルク変奏曲を演奏する為に意識していたのは二段鍵盤でしたから、鍵盤が一段しかないピアノや、ほとんどのモダン・チェンバロで演奏できないのは今では至極当たり前のこと、二段鍵盤でその後に多くの録音がありますから、グレン・グールドの演奏を今では聴くまでもなく優れた録音で聴けるわけです。
わたしはこの「ゴールドベルク変奏曲」を初めとするバッハ演奏は、グールドの録音は参考とするには良い材料でしかないと考えています。グールドを楽しみたい向きにはバードやギボンズを録音したものをお薦めします。
そして、「ゴールドベルク変奏曲」をグレン・グールドが演奏したものが複数あることも忘れないで下さい。最初のモノラル録音。そして晩年のステレオ録音。このステレオ録音について触れられ損ねているのが、当時のレコード事情を見落としているところです。
CBSは最もCD発売に積極的でした。その為にグールドはデジタル録音で、「ゴルドベルク変奏曲」に再び挑みます。然しこの当時デジタル録音でのミキシングは出来ませんでした。その為に、レコーディングにはデジタルとアナログが併用されていて、最初にレコード発売された時にはアナログ録音したものをマスターに使用しています。
故に80年録音の「ゴルドベルク変奏曲」には、2つのバージョンが存在します。
最後に、グールドが米CBSとレコード契約をした時代は、今とは違って演奏家の意向より先に、レコード会社のリリース・スケジュールが先に決められていました。エンジニアの契約、給料の試算、プレス工場のスケジュールがその理由です。
年に何枚録音するようにという約束は、グールドがバッハのピアノ曲、モーツァルトのソナタ集を録音すると決めた事と関わりないとは言えないとわたしは推察しています。
バッハのゴルドベルク変奏曲はレコード一枚に収まりますけど、その後「イギリス組曲」、「フランス組曲」を録音。それらはレコード三枚組になります。この2作品を録音することだけで年間リリース契約の6枚分を消化することが出来ます。
グールドの演奏しているモーツァルトのソナタ集は、とても演奏速度が速いものですけれどもLPレコード一枚に一曲でも多く録音して、他の演奏家のレコードよりもお得感で売りたかったのではないでしょうか。
グレン・グールドをデジタルの良い録音で聴きたいのでしたら、「ゴルドベルク変奏曲」よりもブラームスのCDが幾段も優れています。
「一寸クラシックのソロピアノアルバム」でも、と思われる向きにはこちらをお薦めします。

全部で卵はいくつ?

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Yoh: 若鳥のペペロンチーノ
七星目玉焼のせ。
客人来てて忘れてたよ…。
@ 祖師ヶ谷大蔵駅・小田急電鉄/小田原線 (日本) - 4 minutes ago - comment








 
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